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刊行にあたって |
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杁中三洋堂は父加藤一、母まさ子により1959年1月名古屋市昭和区杁中の地で創業された。木造平屋15坪、家族経営のどこにでもありそうな本屋である。その後15年間は単独店経営の時代であった。
1974年2月に勝川店を出店し、支店経営の時代に入る。
この支店経営時代も15年間続くことになる。
1978年12月、株式会社三洋堂書店は営業会社として設立される。
1988年3月、兄加藤宏が副社長に就任した。翌年より宏は支店経営からチェーン経営に180度舵を切る。大変な混乱期であった。
1996年、トーハン様への帳合い一本化に合わせて、一、まさ子が引退。宏社長時代を迎える。
1998年、常勤監査役の長尾秋夫に社史編纂を命じる。加藤一、まさ子創業者経営時代を編纂することが目的で、1999年11月の一二三会で二人を招き贈呈する予定であった。
1999年6月、加藤一が71歳で急逝する。社史対象期間を3年延長し、1999年までに変更した。また、それまでの記述式文体から加藤一のインタビューを口語体で収録することにした。客観的な記述よりも、本人の肉声をそのまま収録した方がより忠実に伝わると考えたからだ。これで全面書き直しとなり、長尾秋夫の仕事は振り出しに戻った。社史というよりは加藤一の生涯に焦点を当てたアンソロジーへと大きく編集方針を変えたわけだ。
その編纂もほぼ終了し、やっと刊行かと思った2000年7月、今度は社長加藤宏が急逝する。42歳だった。
長尾秋夫の仕事はまた混乱する。今度は2000年末まで、加藤一、宏の2世代にわたる編纂となった。三好彰へのインタビューで加藤宏時代を語り、宏の書店大学での講演を収録した。これはポプラ社田中名誉会長が講演テープを保存して下さっていたため実現できた。まだ35歳の若造がよくぞここまで生意気なことを言い放っていたものだと感じるが、実は社内では誰一人この講演の存在を知らなかった。受講生を出していなかったからである。
紆余曲折を経て、結局創業から2000年末まで、意図したわけでは無いのだが、ちょうど20世紀の全期間を編纂する形となった。三度の全面書き直しを文句一つ云わずに実直に編纂下さった長尾秋夫に謝意を表したい。
三洋堂書店は加藤一、加藤宏の遺志を引き継ぎ、読者・顧客にとってより重要で意義ある存在になりたい。そのためにも、我が社はいつも挑戦者、開拓者、業界内での異端児で有り続けたい。創業期からの変革への志を再確認する意味で、我が社の「原点」を認識する意味で、本書を刊行する。
お取引先様におかれましては、今後ともより一層のご厚情とご支援を賜ることを切に希求します。
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