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ほろ苦い物語 《第36回 三洋堂書店便り》

2021年11月24日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

上の子供がついにニンテンドースイッチの「あつまれどうぶつの森」を遊び始めたので手伝っているのですが、面白いですね。
「あつまれどうぶつの森」は、無人島で釣りをしたりDIYで道具を作ったり家を建てたりして自由気ままな暮らしを楽しむゲームなのですが、童心に帰って楽しめるので、確かにこれは大人も夢中になります。

ただ、素潜りで「タラバガニ」や「アワビ」を捕まえた際、博物館に寄贈しに行こうとする子供と、高級食材だから売れば銭になると鼻息荒く商店に駆け込もうとする私で、性格が出るなと思いました。

大人(私)ってきたないですね…。


というわけで。
今週はほろ苦さが味わえる”大人な物語”を3冊ご紹介します!

大人の恋愛小説

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平場の月

著者名
朝倉かすみ/著
出版社名
光文社
税込価格
748円

須藤が死んだと聞かされたのは、小学校中学校と同窓の安西からだ。
須藤と同じパート先だったウミちゃんから聞いたのだという。
青砥は離婚して戻った地元で、再会したときのことを思い出す。
検査で行った病院の売店に彼女はいた。中学時代、「太い」感じのする女子だった。
五十年生き、二人は再会し、これからの人生にお互いが存在することを感じていた。

とにかくリアルな人生後半の恋愛模様。
じっくり読んでほしい一冊です。


謎のわんこが呼ぶ奇跡

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迷犬マジック

著者名
山本甲士/著
出版社名
双葉社
税込価格
770円

日々の生活がイマイチ冴えない人々の前に現れる黒柴の迷い犬。
首輪にマジックと書かれた謎の犬の出現で、独居老人や路上ライブをする若者、
小さな理容店を営むアラフォー独身男、ライター志望のアラサー女子の日常に少しずつ変化が訪れる。

読むと気持ちがあったかくなる「ほっこり系」わんこ小説です。


第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作

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同志少女よ、敵を撃て

著者名
逢坂冬馬/著
出版社名
早川書房
税込価格
2,090円

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。
急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。
同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。
おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

戦争や生きる意味について考えさせられる、非常に重厚な物語です。
そして、とてもデビュー作とは思えない構成と筆力。
今月一番のおすすめです!

書いた人:一般書・文庫バイヤーM
子どもとコントローラーの取り合いになっていることはナイショです。

三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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