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【熱田図書館コラムVol.24】脳・行動科学からコミュニケーションを学ぶ「あいては人か話が通じないときワニかもしれません」を推す

2025年10月19日 投稿

図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 24

日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?

「あいては人か話が通じないときワニかもしれません」

ネアンデルタール人はクロマニヨン人より遥かに優れていた。脳の大きさや運動能力も。でも生き残ったのは後者である。
個々の能力が高いゆえに単独行動していた前者。引き換え、劣っていたからこそ集団行動せざるを得なかった後者。

両者の命運を決定づけたのはコミュニケーションだ。
やがて地上の覇者となる私たちの祖先は、仲間に認められることが不可欠だった。仲間外れにされサバンナに放り出されることは死を意味していた。よって今の私たちが人間関係のことを考え、人付き合いに神経をすり減らしているのも当然なのだ。


そこで本書の出番。
著者はスウェーデンを代表する行動科学の研究者で、25年にわたる脳科学の研究に基づいた人づきあいのメソッドを発表し、私生活や職場で今すぐ役に立つツールとして一躍ベストセラー。

著者曰く、「私たちの頭の中には、人類の発達の歴史がそっくり残されている」とのこと。
つまり、新しく形成された順で例えると、ヒト脳、サル脳、ワニ脳ということになる。ヒト脳は論理的思考の制御をしている。サル脳は感情をつかさどっている。そしてワニ脳。本能という考えたりすることのない反射的な働きだ。
すなわち脳の中には「3体」の生物がいることになる。

著者の研究では、普段、人はヒト脳の状態だが、ストレスなどを感じることにより、徐々に脳の機能を停止させ、ヒトからサル、やがてはワニになる。サル脳やワニ脳の誰かとコミュニケーションをとり続けるにはどんな言葉をかけ、どうふるまえばいいのか、そうした知恵を授けてくれるのが本書だ。

本書を推さないわけにはいきません。
だってサルやワニが巷に溢れていて大変なのです。ホント。あなたもそう思いませんか。

ちなみに文化の違いからコミュニケーションが難しい場合も現代社会ではありがちです。
そんな場合は、スウェーデンつながりで『北欧女史オーサが見つけた日本の不思議』をお勧めします。
4コマ漫画風です。小難しいこと抜きに楽しみながら異文化交流のコミュニケーションの神髄をご堪能ください。

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あいては人か話が通じないときワニかもしれません

著者名
レーナ・スコーグホルム/著 御舩由美子/訳
出版社名
サンマーク出版
税込価格
1,760円

熱田図書館長 佐々木

5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。

趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。

今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。

文中で登場した作品たち

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北欧女子オーサが見つけた日本の不思議

著者名
オーサ・イェークストロム/著
出版社名
KADOKAWA
税込価格
1,100円

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