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紙上健吾さん小説紹介『二十歳の原点』

2026年3月20日 投稿

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二十歳の原点

著者名
高野悦子/著
出版社名
新潮社
税込価格
649円

【スタッフのつぶやき】

2026年2月20日
学生運動がさかんだった1969年、二十歳でなくなった京都の立命館大学生、高野悦子さんの日記が本になった『二十歳の原点』を読む。
なくなった方の日記なのだから、今だったら出版されないか、しても炎上しそう。タレントやスポーツ選手の住所も公開されていた昭和時代だから出版されたのかしら。

私が入学したころは、大学がすでにレジャーランド化しモラトリアムだと言われていましたが、それでもまだギリギリ、ゲバ文字の立て看板がたくさんあったし、京大では革マル派か中核派の暴力事件があったらしいと2年生のころ聞きました。

(注記、ゲバ文字:学生運動などでビラや立て看板につかうカクカクした直線のみで構成された文字。筆跡を分からなくして逮捕などに結び付かない様にしてると聞いた。)

2026年2月28日
それでも随分マイルドになっていて、私のような「(1970年頃のような意味での)ノンポリ」学生にもマイルドに学生デモの誘いがあり、一度連れていかれた。人がいない大阪の夜のビジネス街でデモに参加した。人がいない夜のビジネス街でデモをしている意味がよく分からず、行ったのはその1回だけ。また文中に出てくる民青も学生自治会の中心にいたが、普通に教授の授業の手伝いをしている程度でしたので、私も学級委員的なものだと思って入るところでした。(通学が2時間かかっていたので時間がなくて入りませんでした。)

2026年3月5日
選挙応援に行く人も結構いたようだ(革新からリベラルから保守までいろいろ)。友達も前原誠司さんの選挙応援に行ってて、事務所に私も1回ついていった。学生が来ると、前原さんが「お母さん、お茶入れたげてー」と言ってて、事務の年配女性の方を関西の言葉的に「お母さん」と言ってるのかと思ったら、本当の前原さんのお母さんだったようでした。京都は学生が多く、学生の運動の残り火の様なものがあり政治への敷居が低かったのか。

2026年3月6日
 ところが変化は激しく、4年の間にほぼゲバ文字の立て看板はなくなりました。大学の事務員さんも雑談で、
「去年は、受験の併願で受験料や入学料の仮入金で景気が良かったが、今年は併願が少なく大学として数億儲けそこなった」などと話しておりました。また当時流行の国際関係学部ができて、そこだけおしゃれな建物が出来てなぜか受験の人気も高く、「上手いな」と思いました。学生運動が激しかった大学とは全く思えない時流への乗り方で、どんどん「普通の企業」っぽくなっていくなとも感じました。
『二十歳の原点』も話題になっていた記憶も全くなかったし、少なくともまわりでは学生運動は歴史の一部でしかありませんでした。

それだけに、これを読んでしまって高野さんの日常が最後に尻切れトンボのように終わってしまうのが、さみしく悲しく感じました。


2026年3月13日
最近『海賊と呼ばれた男』を読みました。
そこで、ふと思ったのです。
高野悦子さんが、タイムカードも定年も労働組合もなかった出光に入社していたらどうだったんだろうと。「黄金の奴隷になるな」の教えの影響を受けた出光佐三の会社に接していたら。
もしも、なんて都合の良い条件を考えてみたところで仕方のない話ですが。出光佐三は戦前、対米戦争に強く反対していました。でも今、ウクライナとロシアだけじゃなく世界中で戦争やテロがある。生まれた国ガチャで言うと、日本に生まれただけで当たりです。ロシアのユーチューバーのディアナさんが、視聴者からの質問で
「(失われた三十年の)日本に生まれたことは、国ガチャとして当たりかはずれか」
と聞かれた際に、
「日本に生まれただけで当たりやろ。SSRやろ。
 こっち(ロシア)はUSSRやで。」
と言ってました。

(補足①:
R レア      どころか
SR スーパーレア を超えて
SSR ダブルスーパーレア ぐらい。
めっちゃ恵まれてるとの意味らしい。)
(補足②:
ロシアを中心として成立していたソビエト社会主義共和国連邦が
英語では「Union of Soviet Socialist Republics」であり、
略称がUSSR。)

それはともかく、社会主義で言うように資本主義が終わるのか、ニュー・ワールド・オーダー的世界になるのか、ディストピア世界が実現するのか、そんなものは分からない。
分かったのは、1999年で世界は終わらなかったし、2001年になっても宇宙旅行は一般的ではないし、2015年になってもホバーボードも無くデロリアンも空を飛んでなかったこと。この調子だと、2027年に月で5万年前の宇宙飛行士の死体も見つかることはない。ワープ航法を実現するのは2063年には無理だろうし、実現したところで耳の尖った論理的な大使が訪ねても来ない。オーバーロードもやってこない。

誰も見守ってくれなくて、自分たちで世界を運営していくしかない。組織票に振り回されるだけかもしれない気もする投票権で。



2026年3月16日
それでも今日も明日も木を植えることはできる。
家族を隣人をお客様を読者をクライアントを通りすがりの猫を幸せにすると決めて行動することはできる。結果は保証されないけど。
けど、じゃない。だから、自分が決めなければ、誰もやってくれない。だからこそ、少なくとも自分が決めたことは実現に向けて進めることはできる。自分のできることは。

2026年3月18日
何度読んでも結果は変わらない。分かっているのに。
でもどうにもできない。
内容がまとまらない、終えられない。もやもやしたままYouTubeのショートを見ていると、Avicii(アヴィーチー)の『The Nights』という曲が流れてきた。そう、


もし、高野悦子さんが生きているうちに、
例えば、ジョンレノンの『イマジン』を聞いていたら、
例えば、マーヴィン・ゲイの『What's Going On』を
例えば、オアシスの『Don't Look Back In Anger』を聞いていたら、

例えば、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』を
例えば、デヴィッド・グレーバーの『万物の黎明』を読んでいたら、

もし・・・




1969年6月23日
あ、すみませーん。

洋楽研究会の者ですが、学内投票で、最新洋楽ベストテン企画をやってまして、聴いてもらって投票お願いしたいのですが・・・

あ、いいですか、ありがとうございます。
じゃあ、音楽喫茶ムジーク・・・は、まだこの時代はないか。
えーっと、じゃあ、そこの以学館あたりのベンチでいいですかね。

じゃあまず
マイケル・ジャクソンの『ヒール・ザ・ワールド』という曲なんですけどね・・・




(スタッフ:杜甫甫酒造)

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