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けんごさん小説紹介「アリス殺し」

2025年3月21日 投稿

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アリス殺し

著者名
小林泰三/著
出版社名
東京創元社
税込価格
814円

【スタッフのつぶやき】
●夢の中の怪死事件が起きると、現実世界でも似た怪死事件が起きる

出来事と現実がリンクしている?
その上、主人公が犯人と疑われる。
そりゃ解かなきゃなりませんよね。
知らんけど。(関西の人は時々口癖のように言いますよね。)

知りませんよ。確かに。夢と現実はつながるわけないでしょ。言いがかりはやめてください。
理不尽ですよ、確かに。
でも、ほぼほぼ、物語って理不尽だなと改めて思ったのです。
先月の『小説』も
先々月の『正体』も
その前の『公開処刑人 森のくまさん』も
基本的に、まあ、物語は事件が起きる訳です。
そりゃ、「今日も平穏無事な一日でした」で本も映画も売れません。
ですが、現実世界でこんなにコロナや物価高など困難や事件があるのに、何故わざわざ金出して理不尽を味合わないといけないのでしょうか?

一つには、これまで申し上げたように「謎は解きたい」というヒトの本能だと思うのです。
でも、だったら、パズルでいいはず。クロスワードでも数独でも。
推理小説は殺人事件が起きるのが、物語としてやりやすいのも分かります。
刑事ものドラマが多いのもテンプレとして優れているからでしょう。
『相棒』『SPEC』『科捜研の女』『時効警察はじめました』

でもそこに理不尽さ要素が多いような気がします。
今月は途中『二人一組になってください』と迷っていました。
27人のクラスで二人一組になって余った人が死ぬ、最後の1人になるまで続くデスゲームです。
けんごさんの動画を見て、けんごさんは悪くないのに理不尽さに腹が立ちました。
そして、
①ああ、そうだよ。あたしゃ三軍だよ。じゃあ、いいよ私が最初に死んでやるよ

②いやいや、納得できねぇ。理由を教えなさいよ。

③あんた、法律って知ってる?

④おい、クラスみんなで、主催者ぶちのめそうぜ。正当防衛だよな。

とまあ、まんまと作者とけんごさんの掌の上で感情が踊るわけです。
(『アリス殺し』じゃなくて『二人一組になってください』の説明が長くなってしまいましたが。)

「はー? 私かんけーねーし。」とはならない。
なんかしら、過去に自分が経験してきた理不尽を思い出しているのかもしれません。
でも人生ってある意味理不尽で、頼んでもないのに勝手にこの世界に産み落とされるわけです。なだいなだ先生が言ってました。

そこで、ふと映画『マトリックス』を思い出しました。
最初マトリックスは完全な理想郷のプログラムを作ったが、人間は受入れることができずに絶滅してしまった。
昔からの物語も多くの場合一旦ユートピア的な状況になっても、主人公はそこから抜け出てしまう。
退屈だからというような系統の理由が説明されることが多い。
おそらく、ヒトも自然の世界で生きてきた動物なので、現実世界で事故や病気や肉食動物に食われることを前提としたDNAになっているのではないかと思うのです。
もっとも、現代の先進国の生活では豊かで理不尽さが減ってます。
食べ物が不安定にしか得られないことは減ったので、糖分や脂質はコントロールしないと摂り過ぎになります。
理不尽な事象に対する防衛姿勢も、コントロールしないと、過剰な心配になります。

その意味で、ミステリ小説って、制御された人生のチュートリアルの様なものじゃないでしょうか。
世界のトップのビジネスマンは芸術鑑賞を意図的にやってるという話がありますね。
そこには、パターン化されすぎたた現実解釈を解体して、発想の転換や新しいインスピレーションやインサイトに繋がる柔軟な思考を鍛える意味があるそうです。
だから私たちは、さすがにそんな世界のエリートビジネスマンやウォーレン・バフェットの様にはなれなくても
楽しくて、かつ現実の問題の解決のためにもなる(かもしれない)小説を読むことをやめられないのかもしれません。知らんけど。

なお、『アリス殺し』の説明から最初に連想したのは2006年のイギリスのテレビドラマ『時空刑事1973 ライフ・オン・マーズ』でした。
確かアメリカでリメイクされてたような。また見てみたいです。
(「皆さんのオススメ刑事ドラマをコメント欄で教えてください」と書こうとして、「あ、YouTubeの見過ぎだな」と思いました。今日も帰ったら「Kevin's English Room」見ます。)


●先日、一時停止違反で罰金7000円となりました。
「完全には止まっていなかったので・・・」とのことでした。トホホ。
春も近いので皆様もお気を付けて。

(スタッフ:杜甫甫酒造)

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