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紙上健吾さん小説紹介『透明な夜の香り』

2026年5月15日 投稿
@kengo_book

この本からはさまざまな「香り」がします。 ぜひ皆さんに、「嗅覚」でも楽しむ読書をしてほしい。 あなただけの、特別な香りを見つけてください。 『透明な夜の香り』の紹介です📚 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」 #本の紹介 #おすすめの本 #小説 #小説紹介

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透明な夜の香り

著者名
千早茜/著
出版社名
集英社
税込価格
770円

【スタッフのつぶやき】

皆さんは、懐かしい香りってありますか?
その香りをかぐだけで、10年前にタイムリープする様な・・・

 

例えば、
子どものころ流行っていたブルーベリーガムの香りとか。

小学生の頃の近所の夕食の準備の香りとか。
夏の白く濁った運動場の水道のカルキ
雨上がりの運動場
体育館シューズの靴底のゴム
4時間目の給食室
中学の部室
プールの塩素
中学時代同級生がつけていた安い香水
担任の先生の香水
高校の体育館にある体育の先生だけの職員室のタバコ
学校の近くのふるほん屋の古い紙のにおい
学校近くの駄菓子やで食べたプリンバーやスイカバー・・・

作中に「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記録されるから」とある様に、嗅覚は五感の中で最も本能に近い感覚だそうです。

嗅覚情報は、他の感覚のように理性的な判断を行う「大脳新皮質」を経由せず、約0.2秒で直接脳へ到達するため、瞬時に感情や記憶を呼び起こす強い力を持っています。(AI による概要)
だそうです。

 

私が小学4年生の時の担任の30代男の先生が、授業参観で、一人で詩の朗読をする、というオシャレなんだか格好つけているのか、キザというかなんというか、今なら絶対その場で親からクレームがでそうな事をしてました。

ええ、主役の生徒じゃなく、先生が朗読しました。児童用の椅子に足を組んで座ってました。

机を教室の後ろに詰めて、先生が教室の真ん中に窓を背にして椅子に座って、それを囲む様に生徒が座って、親が廊下側に児童の後ろから見るという、なんの劇場なんだと。逆に、即席でそこまで劇場っぽくしてしまう能力は何なんだと。面倒くさいことに、そんなキザが似合うイケメンだったので更に止められない感じでした。

そんなことはどうでもいいのですが、その先生が、結構強めの香水をつけておられました。
数年に一度、街中で同じ香水の人とすれ違うと、一瞬で小学4年生に戻ってしまうのです。
そして、毎回「強っ! 脳に届く力、強っ!」と思うのです。

 

さて、本作品『透明な夜の香り』は調香師のところにバイトに行く女性が主人公のお話です。

そんな指定の香りをわざわざ高いお金を出して作ってもらうくらいのお客様なので、いろいろ抱えているものがありトラブルになったり、主人公の若宮一香も終盤に大きな展開を迎えます。

 

読んでてレディコミにするか、実写化してほしいと思いました。

ドラマなら、例えば
アルバイトの若宮一香は、福地桃子
調香師の小川朔は、和田雅成
その幼馴染の探偵・新城は、大泉洋か、漫才師「磁石」の佐々木優介
庭師の源さんは、伊武雅刀

そして、ネタバレにならないよう言うと、求められるものに応じるのが良いのか、という問題が少し出てきます。

そりゃあ、言ってみれば「こじらせちゃってる方」がお客様な訳です。
求めるものを与えることが本当に良いのか、という展開があります。

薬物とまではいかなくても、
現在では過剰な糖分や、脂質、タンパク質、グルテン等が問題になっています。
また超加工品には多くの添加物が含まれており、一食だけならともかく、毎回常食していくと悪影響が大きい可能性も指摘されています。
そこに加えて、魚を与えるのか、魚の取り方を教えるのか、にも似た問題も引き起こします。
その香りは、自分で解決する力を育てることに上手く沿えているのでしょうか。

人は、ハンマーを持てばなんでも杭に見えるものです。
そんな、反省とも回顧ともとれない思いに、何度か読む手を止めてしまう本なのでした。

きっと、このお話の中では香りがその役割を負ったに過ぎず、それ以外の場面やお話では、
医学であったり、ITのソリューションであったり、筋トレであったり、コミュ力お化けな会話力であったり、端麗な容姿であったり、札束の力であったり、セラビーであったり、モサドやCIAなどの諜報力であったり、刎頸の友的な友情であったり、音楽による高揚感や染み入る感情であったり、マザーテレサの無償の愛であったり、パパやママの愛であったり、逆に拘束であったり、30年前に戻れる車か洗濯機であったり、するのかもしれません。

いずれにしても、結局他人は動かせない。解決するのは自分。その前提を忘れては、学校や、同僚や上司や会社や国や世界や宇宙を恨んで生きることになるのではないか、と、ふと、感じました。

そんな宇宙を感じながら、家のドアを開けるまでは、
「今日も帰って部屋の床にいくつも置いてあるだけのダイソーの買い物袋を、1日1袋だけは片付けよう」
と思いつつ
鞄を置いたとたん、
「ま、次の休みでいいか」
となる日々です。無性に片付けたくなる香水ってないのでしょうか。トホホ・・・。

(スタッフ:杜甫甫酒造)

 

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