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紙上健吾さん小説紹介『コンビニ人間』

2026年10月16日 投稿
@kengo_book

この人間社会において、一体「普通」ってなんなのでしょうか? 「普通」という言葉に少しでも悩まされたことがあるあなた。 あなたのための小説です。 『コンビニ人間』村田沙耶香 著 出版社:文藝春秋(文春文庫) #本の紹介 #おすすめの本 #小説 #小説紹介 #読書

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コンビニ人間

著者名
村田沙耶香/著
出版社名
文藝春秋
税込価格
693円

【スタッフのつぶやき】

今回は、芥川賞を取った村田沙耶香『コンビニ人間』です。

普通って何。

ざっくりいうと、奇想天外な冒険でなく、日常生活に近い所を描いて、深く潜っていく気付きの書。(ひどいまとめですが)

たとえば、映画「プロジェクト・ヘイル・メアリー」なら石や金属でできている宇宙人がでてきます。故郷の星の温度は210度。
ここまで違いすぎると、私たち人間が、とても低温で炭素を中心にした世界に生きているのをあらためて感じます。

ところが、この『コンビニ人間』は、ほとんどが「普通」の人なのに、その中での違和感・差異を描いていきます。そして最後に主人公は、ハッピーエンドともアンハッピーエンドとも取れるような変化をします。

私は子供のころ、『縮みゆく人間』という児童書を読みました。
一定の比率で日々縮んでいく男の話で、最後は消えてなくなるはずでした。
しかし、最後の日の翌日、目が覚めるのです。
気が付いたら服などは遥か上の葉っぱか何かに引っかかっており、自分は葉の隙間か茎の表面のくぼみか何かに落ちているのです。
そして、「宇宙は小さい方にもあったんだ」という言葉で終わった記憶です。
AIで検索しても児童書はありません、と出るし、早川文庫のレビューを見ると、違う終わり方の感想を書いている方がいるので、私の記憶違いかもしれませんが。

私は子供の頭で「一定の比率で縮んで最後は消えて死んでしまうはずだったのを、理由も曖昧なままなんか生き残るのは、納得できない」と思ったのですが、それはさておき、

そんな滑稽武藤な話や宇宙人が出てくる話でもないのに、内面を描いて、気付いたりいろいろ考えさせるのは、いかにも文学賞向けです。

ただ、娯楽を求めるライトな層にはむつかしい。
なぜなら、「普通の人」は、今の普通を変えようとも壊そうともしていないからです。
『自由からの逃走』で言われるように、自分が何も変わらず、いきなり自由だけ与えられても困ります。
映画でも、マリオやズートピアやキングダムやブルーロックなどの娯楽作品は売れても、文学的なミニシアター系は間口が狭いです。

だからこそ、「普通って何?」と思っている人こそが、読んで、さらにもやもやすることで、自分の胸の扉を開くカギになるかもしれません。

私は次の新しい業務で頭がいっぱいです。普通は普通であってもらわないと、業務が先に進みません。一旦普通じゃない話は横に置いといて、先に進ませていただいて、落ち着いたら思い出しますね。

そういえば、『普通じゃない』っていう映画ありましたね。内容は覚えていませんので、多分娯楽作品だったのかもしれません。そう思うと、見た後読んだ後にもやもやするのも一つのベネフィットなのかもしれません。今は自分ではそう思えませんが。

 

(スタッフ:杜甫甫人間酒造)

 

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