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「記憶に残る、本がある」文春文庫 100ベストセレクション

2022年9月9日 投稿

こんにちは!夏の暑さから、だんだん秋に変わりつつありますね。

江南店のさめうさぎです。

秋と言えば食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、そして、読書の秋。

ここでは読書を推していきたいです。

文春文庫 秋100ベストセレクションからこの秋におすすめの作品を紹介したいと思います。

今秋のイメージキャラクターは俳優の菅田将暉さんです。

9/9(金)公開の映画『百花』も控えております。

記憶に残る、本がある。

というキャッチフレーズに、わたしおススメのの作品を紹介します。

 

第8回高校生直木賞受賞作!ホームスパンをめぐる親子の心の糸

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雲を紡ぐ

著者名
伊吹有喜/著
出版社名
文藝春秋
税込価格
847円

高校生直木賞ってご存じですか?

全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近一年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです。

フランスの「高校生ゴンクール賞」(毎年2,000人を超えるフランスの高校生たちが参加し、

権威ある仏ゴンクール賞の候補作の中から自分たちなりの1作を選ぶ)の日本版を目指して、

2014年5月に第1回が開催されました。

それ以降毎年行われており、現在では全国32校、約230名の生徒が選考に参加しています。

雲を紡ぐ は2021年   第8回高校生直木賞を受賞した作品です。

 

ある理由で学校に行けなくなった高校生・美緒は祖父母がくれた赤いホームスパンのショール

を心の拠り所にしていました。

ところが、このショールをめぐって母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出を

してしまいます。

美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知り、

この仕事に魅かれていきます。

一方で東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり、家族の絆が壊れようとして、、、。

ホームスパン とは文字通り、家で紡ぐ「手織り」の毛織物のことです。

現在、手紡ぎ・手織りのホームスパンは日本の中で岩手県の盛岡市・花巻市周辺のみに産業

として残っています。他の毛織物と比較にならないほどの暖かさ、肌に触れてもちくちくしな

い柔らかさ、複雑な色合い、抜群の耐久性を持った、毛織物の最高級品だそうです。

人の手で糸を紡いで、時にはほどいて、一つずつ作り上げていく、それはまるで家族の再生の

ように思えます。

『自分の色』を決めてごらん。ゆっくり染めて、紡いでいけばいい。 という言葉が、帯に

書かれているのですが、この言葉に魅かれます。

主人公の美緒の心情に、すごく優しく響いたと思います。自分の居場所を見失い、生きること

につかれた人々にも、染みる言葉だと思います。

舞台となった岩手県にも、訪れたくなる、そんな気持ちにさせてくれる小説です。

 

社労士ってどんな仕事ですか?

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ひよっこ社労士のヒナコ

著者名
水生大海/著
出版社名
文藝春秋
税込価格
902円

お仕事小説。

文字通り、仕事にまつわる小説のことですが、皆さんはどんな職業小説を思い浮かべますか?

警察官、医者、弁護士、教師、料理人、旅行会社、等々、、、。

その職業を聞くと、なんとなくどんな仕事か想像できませんか?

紹介するのは ひよっこ社労士のヒナコ。あれ、社労士ってどんな仕事でしたっけ?

この作品では主人公、文字通りひよっこな新米社会保険労務士の朝倉雛子が、クライアント

企業の問題を解決しようと、奮闘します。

社労士って資格としてよく聞くようになりましたけど、実際のところ、どんなことをしている

のかよくわからないところもありましたが、ここでは、有給休暇、解雇、裁量労働、育児休

業、年末調整、パワハラ、労災、超勤手当、などなど、聞いたことのあるフレーズ、様々な労

務問題がでてきます。

社会人として知っておきたいことが小説で読めますので、難しいと思っていた労務のことが少

しでも、理解できるようになりますかな?

 

9/9(金) 映画公開 百花

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百花

著者名
川村元気/著
出版社名
文藝春秋
税込価格
803円

9/9(金)公開の映画『百花』の原作本です。

アルツハイマーで徐々に記憶を失っていく母親と、その母に対して思う、ある過去の確執。

そんな思いに翻弄されながらも、寄り添おうとする息子との関係を描いています。

主人公の泉は結婚をし、これから親になる、その一方で母は親としての記憶を失いつつある。

そんな時だからこそ、この二人は寄り添えたのかもしれません。

この二人のような、過去に縛られた関係がなくても、人間、親の介護はいつかは直面するので

あろうかと思います。介護の現実もリアルに描写されており、考えさせられる作品です。

タイトルの『百花』は何を意味するのでしょうか、それは読み進めていくと、わかります。

 

 

秋の文春文庫は読みごたえいっぱいです

いかがだったでしょうか。今回はわたしおススメの3作品ご紹介しました。

あなたの読みたい気分によって、100タイトル用意されています。

心が揺さぶられるような作品、胸に沁みるような作品、気持ちがスカッとするような痛快な作

品、人物像に触れられる作品などなど、ジャンルは色々なんです。

その中からどうぞ、あなたの 記憶に残る 作品を選んでみてください。

 

書いた人:江南店 さめうさぎ

秋になると季節限定の栗・芋菓子に夢中です。

今年こそ栗きんとんの食べ比べをしたいです。

読みたい本の積み読(つみどく)も減りません、、、。

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