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【新潮文庫】 紅白本合戦2022

2022年12月21日 投稿

こんにちは。

江南店のさめうさぎです。

今日取り上げるのは『紅白本合戦』。

“え?歌じゃなくて本?!”

実は新潮社が毎年12月に発表されるフェアで、数えること8回もやっているんです。

新潮文庫の中で、女性に売れた文庫を紅組、男性に売れた文庫を白組としてランキングが作られております。

男性作家、女性作家で分けられているかと思われがちですね。

今回は、直近の紅白上位5作品ずつと、私のオススメを4作品、14作をご紹介させていただきます。

紅組 

1位

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クジラアタマの王様

著者名
伊坂幸太郎/著
出版社名
新潮社
税込価格
825円

記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」

お菓子メーカーの苦情係の主人公が、夢の世界では鎧を被った戦士である。

彼は夢と現実を生きて、現実の問題が夢での戦いの結果で、解決に導かれる。

RPGのようで、最後はアッと驚かされる、そんな伊坂マジックです。

2位

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常設展示室

著者名
原田マハ/著
出版社名
新潮社
税込価格
605円

絵を愛する女性の物語が6編綴られている短編小説集です

それぞれの短編に登場する女性は人生の岐路に立ち、そこで運命的な一枚の絵との出会いがあります。

短編集のタイトルはその短編に登場する人々の運命を変える一枚の絵のタイトルです。

キュレーターの資格を持つ作者ならではの作品です。

『デトロイト美術館の奇跡』もオススメです。

3位

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豆の上で眠る

著者名
湊かなえ/著
出版社名
新潮社
税込価格
737円

「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」

小学三年生の時に失踪した姉が二年後、家族のもとに帰ってきた。

喜ぶ父と母、しかし妹には、その姉に微かな違和感を覚える。

何かが違う・・・。

「本物って、何ですか?」

この言葉にゾクッとします。

4位

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一汁一菜でよいという提案

著者名
土井善晴/著
出版社名
新潮社
税込価格
935円

昔、「一汁三菜」とよく言って、母は食事を作っていました。

それがあたりまえだと思っていたのが、そうじゃなくていいんだ。

そんな家庭料理の根源を覆した一作です。

ご飯と具だくさんの味噌汁。

カラー写真で、紹介されている味噌汁が本当に美味しそうなんです。

5位

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しあわせのねだん

著者名
角田光代/著
出版社名
新潮社
税込価格
649円

節約とか貯金とか、そういったマネー本ではありません。

お金を使うときは、品物といっしよに、それにまつわる何かを手に入れている。

それは楽しい思い出か、失敗だったり、大事なのは品物より、そっちのほうかもしれない。

お金の使い方と、人生を考えます。

白組

1位

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ノースライト

著者名
横山秀夫/著
出版社名
新潮社
税込価格
935円

誰も住まれることなく、放棄された邸宅がある。

新築した家に誰も住まないという、この謎に、ドイツ人建築家のブルーノタウトの存在が浮かび上がってきます。

警察モノではない、建築モノ作品です。

そこには友情と家族の物語。

思わずブルーノタウトを調べてしまいました。

これを読むと、ブルーノタウトの椅子が欲しくなります。

2位

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死にゆく者の祈り

著者名
中山七里/著
出版社名
新潮社
税込価格
781円

教誨師の主人公は、かつて自分を雪山の遭難から救ってくれた友と再開する。

彼は、死刑執行を控える、死刑囚となっていた。

彼の身に何が起こっていたのか、主人公は彼を救うことはできるのだろうか。

刑の執行のタイムリミット、時間ギリギリの緊迫した状況はハラハラします。

3位

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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著者名
ブレイディみかこ/著
出版社名
新潮社
税込価格
737円

アイルランド人の父と日本人の母を持つ「ぼく」の英国・ブライトンでの中学校生活の最初の1年半。

そこで起きる様々な問題について、その母が著しました。

貧困や差別は、世界共通の社会問題であると感じさせられます。

『まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、みんなぼくの大切な友だちなんだ』

ぼくのこの言葉が、心に響きます。

――各賞を総なめにしたこの作品は、人生における「課題図書」です。

4位

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暇と退屈の倫理学

著者名
國分功一郎/著
出版社名
新潮社
税込価格
990円

「暇」とはなにか。

人間はいつから「退屈」しているのか。

なんて説明できるのでしょうか。

答えの出ない問いに、著者が分かりやすく、

スピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人の叡智を読み解きます。

哲学に苦手を感じる人でもぜひ読んでみて欲しい作品です。

5位

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蟻の棲み家

著者名
望月諒子/著
出版社名
新潮社
税込価格
880円

誰にも愛されない女がふたり、殺害された。

事件の背景にあるのは、貧困の連鎖か、家族の崩壊か。

貧困の連鎖と家族の桎梏、目をそむけたくなる社会の暗部を、周到な仕掛けでえぐり出すノワールミステリー。

大どんでん返しの圧巻のラストは、息つく暇なく一気読みです。

さめうさぎ オススメ 

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あつあつを召し上がれ

著者名
小川糸/著
出版社名
新潮社
税込価格
539円

私は喫茶店のミックスサンドウィッチを食べると、母のことを思いだします。

母が入院していた、あの病院の喫茶店で、いつも頼んでいたからです。

食べ物には、あの時にこれを食べた、誰と食べた、という、記憶とリンクすることがよくあると思います。

それは、楽しい事だったり、それとも悲しい事だったりします。

『誰にだって忘れられない、味がある』

これを食べると思い出す記憶がある、そんな食をめぐる7つの短編集です。

読むときっと、何かを思い出します。

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風が強く吹いている

著者名
三浦しをん/著
出版社名
新潮社
税込価格
1,100円

私は子供のころから、駅伝が好きで、正月の三が日は、毎年テレビで箱根駅伝を観ていました。

大学3大駅伝と言われる、出雲、全日本、そして箱根。

そこには毎年、たくさんのドラマがあるのです。

この本が出版されたとき、「駅伝の小説があるなんて!」 と、喜んで手に取りました。

襷をつなぐことに青春をかけた、駅伝部の戦いを描く1冊です。

正月になると、読みたくなります。

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マリコ、うまくいくよ

著者名
益田ミリ/著
出版社名
新潮社
税込価格
649円

同じ会社で働く20代、30代、40代のマリコが3人。

年代ごとに感じる、職場での立ち位置に悩んだり、

ちょっとした出来事から、自分が成長したり、また、嫌なことから、そこで立ち止まったり。

そう、モヤモヤ。この表現が一番しっくりきます。

私はもう年を重ねてきましたので、それぞれの世代に共感ができるのです。

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母性

著者名
湊かなえ/著
出版社名
新潮社
税込価格
781円

11/23 公開の映画原作本です。

母性とは、広辞苑では、「母として持つ性質。また、母たるもの」

読み進めていくと、そこには様々な「母性」が表現されているように思えます。

登場する母、娘、義母、祖母、べつの視点から見ると、母は娘でもあったわけです。

母とは娘とは愛とは、そして母性とは何なのか。

最後は、え、と思わず声にだしてしまう、展開です。

映画の前に読むか、鑑賞後、理解を深めるために読むか、色々ですね。

最後に

いかがだったでしょうか。

年末年始という長い休みに長編を一気読みしよう、とか、

こころがホッとする話が読みたいな、とか、

知識として身につけられるような本を読んでみよう、など。

何らかの形で読みたい本が見つかればよいなと思います。

この紅白本合戦、ランキングは10位まで店頭で掲示してありますので、気になった方は是非お越しください。


 

書いた人:さめうさぎ

そろそろ本の整頓がしたいです。読みたい本が多すぎて困っています。

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