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【作家コラム:白川紺子先生】~書店と私~

2021年6月28日 投稿

こんにちは、白川紺子です。『後宮の烏』、『下鴨アンティーク』、『契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~』などの作者です。

生まれも育ちも三重県で、現在は愛知県に住んでおります。そのご縁で今回、この記事をしたためる機会をいただきました。

近所にある三洋堂書店さんには、よく足を運びます。わたしの著書をたくさん並べてくださっているのを見ては、いつも心のなかで感謝しておりました。ちゃんと名乗ってお礼を伝えられたらと思いつつ、できなかったので、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございます。

またいつぞや、漫画を数十巻、まとめて購入した際には、山のように本を抱えたわたしにさっとカゴを用意してくださったり、車まで運ぶのを手伝ってくださったりと、たいへん助かりました。テキパキとお仕事をなさる、親切な書店員さんがたくさんいらっしゃいます。

こういったご恩がございますので、この原稿依頼をいただいたときには、一も二もなく承った次第です。

 

子供のころから本というのはわたしの身近にあって、いったいいつから本好きだったのか、しかと覚えていないくらいです。母の主張では、姉が通っていたバレエ教室の待合室で、レッスンが終わるまでのあいだ、母がわたしに絵本を読み聞かせてくれていた、それがきっかけに違いないというのですが、覚えていないのでわかりません。

よく覚えているのは、月に一、二度、家族で外食したあと、帰り道に書店があって、そこに立ち寄るのが常だったことです。そこで本を買ってもらえるのが楽しみで、どうかすると外食より心待ちにしておりました。

記憶しているかぎり、はじめて買ってもらった本は、ホラー漫画だったと思います。表紙を見てなんとなく手にとった本でしたが、それからずっと大事にして、なくさないように名前まで書いておりました。それでもいつのまにか紛失してしまい、残念でなりません。

『エルマーのぼうけん』『かぎあなの秘密』『はてしない物語』『鏡の国のアリス』……当時買ってもらった本の題名をこうして書き連ねるだけで、なつかしくなります。ちなみに『鏡の国のアリス』だけはいまもわたしの本棚に健在なのですが、やはり名前を書いておりました。子供のころはすべての本にそうしていたのかもしれません。それくらい愛着のある、大事な持ち物でした。

いま思うと、定期的に書店へ連れて行ってもらい、読みたい本を選び、どんな本でも否定されずに買ってもらえるというのは、とても恵まれた、ありがたいことだったと思います。

わたしの父方の祖父は、賭け事が大好きで奥さんが何人も替わっているという、わりあいロクデナシだったのではないかと思うのですが、そんな祖父を親に持つ父は、学費の工面にも苦労したそうですので、子供にはそうした苦労をさせたくなかったのかもしれません。親孝行したいときに親はなし、といいますが、昨年、父は他界しました。感謝の念は伝えられずじまいです。子供のころのわたしと書店との思い出をふり返ると、いまはすこし、切なくなります。

 

最後に、わたしの最新刊を紹介したいと思います。

京都くれなゐ荘奇譚 呪われよと恋は言う』、発売中です。

主人公は長野出身の女子高生、古くからの呪いにまつわる物語です。タイトルどおり、京都を舞台にしております。

生まれも育ちも三重県のわたしですが、大学時代は京都で過ごしました。わたしの著書には、『下鴨アンティーク』という、こちらも京都の物語があります。『下鴨アンティーク』は、大学時代を思い出しながら書いておりましたので、ずいぶんなつかしい気持ちになりました。対して『京都くれなゐ荘奇譚』は、あらためて京都を知りたい、という気持ちでのぞみました。京都の歴史、地理を一から調べて学んでいるのですが、掘り進めてゆくと知らなかったことばかりで、とても面白いです。今回はとくに、山科、一乗寺、八瀬の歴史に触れております。そういった方面に興味のあるかた、もちろん京都好きのかたや、呪いやまじない、民俗学やオカルトが好きなかた、そうしたたくさんのかたに楽しんでいただけるといいなと思っております。

白川紺子先生の最新刊はこちら

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京都くれなゐ荘奇譚 呪われよと恋は言う

著者名
白川紺子/著
出版社名
PHP研究所
税込価格
836円

先生がコラムで紹介された本はこちら

りゅうの子どもを助けに、いざ、冒険の旅へ

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エルマーのぼうけん

著者名
ルース・スタイルス・ガネット/さく ルース・クリスマン・ガネット/え わたなべしげお/やく 子どもの本研究会/編集
出版社名
福音館書店
税込価格
1320円

物語の呼びかけに応え本の中に入ったバスチアン少年は,その国の将来を荷なうことになるが・・・大長編ファンタジー

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はてしない物語 上

著者名
ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子/訳 佐藤真理子/訳
出版社名
岩波書店
税込価格
836円

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はてしない物語 下

著者名
ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子/訳 佐藤真理子/訳
出版社名
岩波書店
税込価格
924円

鏡を通りぬけたむこうはチェスの国。奇妙な住人に出会いながらアリスは女王をめざします。おなじみ〈アリス〉の2つ目の物語。

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鏡の国のアリス

著者名
ルイス・キャロル/作 脇明子/訳
出版社名
岩波書店
税込価格
748円

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