児童書バイヤーのHです。
夏至を過ぎましたがまったくピンと来ないですね。
今回ご紹介する「課題図書」は、中学生・高校生の6点。
全18作品が揃いましたので、他の学年の本もよろしければご覧ください。
【絵本or読み物/フィクションorノンフィクション/ページ数】
①作品のキーワード
②こんな人におススメ!
あらすじと、感想文の書き方など
中学生向け 3作品
読み物フィクションが2点、ノンフィクションが1点。
本を読むのが好きな人は「with you」
読みなれていて、感想文も書き慣れている人は「アーニャは、きっと来る」
少しでも短い本が良い人は「牧野富太郎」
がおススメです。
公園で出会った女の子が抱える秘密。
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ウィズ・ユー
- 著者名
- 濱野京子/作 中田いくみ/装画・挿画
- 出版社名
- くもん出版
- 税込価格
- 1,430円
【読み物/フィクション/242ページ】
①キーワード
ヤングケアラー/友人/恋/兄/父/母/介護/福祉/受験/コンプレックス
②こんな人にオススメ!
本を読むのが好き/家族の介護の経験がある/夜のランニングが日課
主題は若くして家族のケアに追われる「ヤングケアラー」の問題。
中3の悠人と中2の朱音の恋愛小説の形を取りながらも、語られるテーマは深く感想を語りやすいのでは?
悠人の別れた両親と優秀な兄、飄々としながら悠人を良く理解する友人など人物が魅力的です。
第二次大戦下、ドイツの目を避けてフランスからスペインへ
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アーニャは、きっと来る
- 著者名
- マイケル・モーパーゴ/作 佐藤見果夢/訳
- 出版社名
- 評論社
- 税込価格
- 1,540円
【読み物/フィクション/200ページ】
①キーワード
戦争/ナチス/理解/分断/信頼/自然/成長
②こんな人にオススメ!
本を読むのが好き/人と違った感想文が書きたい/スピルバーグなら「戦火の馬」か「シンドラーのリスト」
原作はスピルバーグ監督映画「戦火の馬」の原作者によるもので、こちらも2019年に映画化されました(ジャン・レノが出ています)。
フランス山間部の村に住む羊飼いのジョーは、ナチスの目を避けてスペインへの逃亡を図るユダヤ人に協力することになります。
ドイツ人とフランス人との間に生まれる反目と理解に翻弄されるジョー。誰に共感するか?よって違った感想が書けると思います。
「小学2年中退」の植物少年が、天皇陛下に招かれるまで。
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牧野富太郎 日本植物学の父
- 著者名
- 清水洋美/文 里見和彦/絵
- 出版社名
- 汐文社
- 税込価格
- 1,760円
【読み物/ノンフィクション/174ページ】
①キーワード
プロフェッショナル/生き方/サイエンス/植物学/家族/フィールドワーク
②こんな人にオススメ!
少しでも短い本が良い/植物に興味がある/強い相手ほど負けたくない
江戸末期から昭和中期にかけて、日本の植物学をリードし続けた植物学者の一生を辿ります。
貧乏を気にせず研究に投資してしまう破天荒な人柄はツッコミどころも多いですが、そこがむしろ魅力に見えてきます。
好きなことを極める大切さと難しさについて、自分の進路の選択と比較するなど、主観的な感想文が書けるのでは?
高校生向け 3作品
中学生向けと同じく、読み物フィクションが2点、ノンフィクションが1点です。
本を読むのが好きな人は「水を縫う」
読みなれていて、感想文も書き慣れている人は「兄の名は、ジェシカ」
あまり本を読まない人は「科学者になりたい君へ」
がおススメです。
姉のウエディングドレスに込めた僕と家族の想い
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水を縫う
- 著者名
- 寺地はるな/著
- 出版社名
- 集英社
- 税込価格
- 1,760円
【読み物/フィクション/240ページ】
①キーワード
自分らしさ/多様性/家族/友人/理解/感謝
②こんな人にオススメ!
小説を読むのが好き/友人と違う趣味・特技がある/「○○らしくない」という言葉に反発を覚える
刺繍が好きな弟、かわいいものが苦手な姉、母親らしくないことを悩む母、祖母、父。
弟の清澄を中心に、自分らしくいることに居心地の悪さを感じる各々の目線を通して、家族全体の姿があらわれてきます。
「○○らしくない」という言葉への問いかけ、といえばいかにも感想文が書けそうなテーマですが、最も共感した一人について語ると感想が書きやすいと思います。
「おまえの兄さんじゃない。本当は姉さんなんだと思う」
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兄の名は、ジェシカ
- 著者名
- ジョン・ボイン/著 原田勝/訳
- 出版社名
- あすなろ書房
- 税込価格
- 1,650円
【読み物/フィクション/265ページ】
①キーワード
トランスジェンダー/多様性/兄/家族/理解/友人
②こんな人にオススメ!
翻訳小説を読むのが好き/尊敬する兄弟姉妹がいる/マイノリティへの偏見を意識してしまう
4歳年上の自慢の兄ジェイソンがある晩打ち明ける。「おまえの兄さんじゃない。本当は姉さんなんだと思う」
自分も家族も生活や周囲の目が一変する様は、描写が残酷な分リアルに響きます。
兄とまた笑える日は来るのか?身近になるテーマですが自分の言葉で語れると独自の感想になるのでは。
プロフェッショナルから人生の選択のアドバイス
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科学者になりたい君へ
- 著者名
- 佐藤勝彦/著
- 出版社名
- 河出書房新社
- 税込価格
- 1,540円
【読み物/ノンフィクション/188ページ】
①キーワード
先輩のアドバイス/サイエンス/宇宙/生き方/仕事/将来
②こんな人にオススメ!
少しでも短い本が良い/進路の選択に悩んでいる/これと決めた職業を目指して邁進している
宇宙論・宇宙物理学を専攻する理学博士が語る、科学者を志す人へ語るアドバイス。
大学・大学院で何を学ぶの?博士号を取得した科学者は何をしているのか?詳細にわかりやすく語ってくれます。
興味を極めたプロの仕事ぶりは学ぶことが多く、自身と照らし合わせて感想を構築しやすいと思います。
どれを読んで書く?自分の1冊を見つけてください。
読んで頂いてありがとうございます。
読書感想文を書く本を選ぶご参考になりましたら幸いです。
「課題図書」「すいせん図書」や各種名作など、面白い本をたくさんご用意して店頭でお待ちしております。
書いた人:バイヤーH
欧州サッカー選手権のせいで、最近あまり本が読めていません。
読書時間のみならず、睡眠時間も侵食されています。
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