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小説から読むか、映画から観るか 《第29回 三洋堂書店便り》

2021年10月6日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

私だけなのかもしれませんが、小説を読む直前に観ていた映画やマンガの影響を受けやすいタチです。
たとえば、海外文学のミステリを読む前に映画「ミッション・インポッシブル」などを鑑賞していた場合、主人公の探偵がトム・クルーズで脳内再生され、(そんな描写はないのですが)無駄にヒヤヒヤドキドキの大袈裟なアクションをまじえて推理を展開したりします。

なので、本腰を入れて小説を読む前には、脳内再生するための役者さんの配役や音楽がとても重要です。
最近は心をあたためようと家族小説に手を出すことが多いのですが、とりあえず八千草薫さんのCMなど眺めてから読むことが多いですね。

ちなみに、一番最悪のパターンは恋愛小説を読む前に劇画タッチのマンガを読むこと。
この間、コミックバイヤーからマッチョで骨太なマンガの試し読みを渡されて読んでしまい、その後帰りの電車で恋愛小説を読んでいたら、「北斗の拳」のケンシロウのような登場人物たちが主人公を巡って骨肉の争いを展開して大変でした。

「惚れておるのか、おらぬのか?はっきりせいッ!」
みたいな感じです。

それはさておき。
10月は面白い映画が盛りだくさん。
特に注目の原作小説をご紹介しますね!

骨太社会派ヒューマン・ミステリー

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護られなかった者たちへ

著者名
中山七里/著
出版社名
宝島社
税込価格
858円

誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。
怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され――。
社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。

10/1から絶賛映画公開中のヒューマン・ドラマです。
原本の文芸書版は2018年にNHK出版から出版されていますが、発刊当時も話題でした。
しかも著者の中山七里先生は岐阜県出身!

バイヤーもイチオシの作品です。

普通の主婦、がんばる。

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老後の資金がありません

著者名
垣谷美雨/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
704円

しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる!

後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。
折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。
家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?

映画は天海祐希さん主演で10/30公開予定。
他人事じゃないのになぜか笑える、快作コメディーです!

”Lの一族” スクリーンデビュー

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ルパンの娘

著者名
横関大/〔著〕
出版社名
講談社
税込価格
924円

私は泥棒の娘。結婚を考えていた彼は警察一家の長男だった。

第1期・第2期の連続テレビドラマを経て、10/15に劇場版が公開です。
我が家は家族で大ファンなんですよ。
大人が真面目に全力でふざけてる感じがたまらんです。
観ると元気が出ます。

あと、主演の瀬戸康史さんの誠実な雰囲気がかっちょよくて、抱きしめられたいと常々思っている。

書いた人:一般書・文庫バイヤーM
今では絶対地上波で放送できない、武田鉄也さん主演「刑事物語」を時々無性に見たくなるんだなぁ。

三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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