図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 1
日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?
「シュナの旅」
「宮崎駿 イメージボード全集」が2024年12月に刊行されるのを機に、巨匠の描いたファンタジー絵物語を今回紹介したい。
「シュナの旅」は1983年に出版されたロングセラー作品であるが、ここ数年でようやく欧米亜細亜から高い評価を得て英語訳やイタリア語訳、フランス語訳が次々刊行されました。
いくら何でも遅すぎる評価だろうと言いたいが、諸外国で日本語を学ぶ友人知人に30年以上前から本を配布してきた私の布教活動が結実して感無量です。
ジブリ映画を知らない方はまずいないと思いますが、「風の谷のナウシカ」以外にもアニメーター宮崎駿の描いた漫画が「シュナの旅」です。
文庫本でオールカラー。出版当時大人の事情で映画化されなかった作品だけに、次はアニメ映画化への期待が膨らみます。
ジブリ映画「ゲド戦記」や「もものけ姫」で主人公が暮らしていた集落や騎乗する動物は、この作品がもとになっているようです。おそらく。
あらすじはこうです。
まともな食物も手に入らない滅びゆく辺境国の王子「シュナ」。
国や貧窮にあえぐ民を憂えていた彼は、ある日、行き倒れの旅人から黄金に輝く実を手にします。
神の国で育つというその植物を持ち帰ることを決意した王子は長く過酷な旅に出ます。
旅の途中で奴隷商人から少女テアと妹を助けます。
その後奴隷商人の追手にしつこく追撃されながらも、テアたちを逃がして、シュナは摩訶不思議な神の地へ辿りつきます。
その土地は黄金の実をたわわに実らせた植物にあふれていますが、同時に人間にとっては地獄の地でした。
一掴みの穂を握りしめ神の地を脱出するも王子は心に深い傷を負ってしまいます。
心神喪失状態の王子を探し出し救ったのはテアでした。
テアの献身的な看護のおかげで我を取り戻したシュナは実った穂を持ってテア達と共に祖国へと―。
チベット民話「犬になった王子」がもとになっているとのことで、長らくどのような内容なのかと心の片隅にありました。
まさか児童文学として図書館に面展示されていることなど思いもしませんでした。
大まかなあらすじは確かに同じです。
が、宮崎イズムを注入した「シュナの旅」は全く別物と言ってもよいでしょう。
初版から40年。世界がようやく追いついた「シュナの旅」。
一刻も早く書店へ行き手に入れて一緒に布教しましょう!
「シュナの旅」はこちら
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シュナの旅
- 著者名
- 宮崎駿/著
- 出版社名
- 徳間書店
- 税込価格
- 660円
熱田図書館長 佐々木
5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。
趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。
今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。
「シュナの旅」の元になったといわれているチベット民話「犬になった王子」
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犬になった王子 チベットの民話
- 著者名
- 君島久子/文 後藤仁/絵
- 出版社名
- 岩波書店
- 税込価格
- 2,090円
2024年12月発売の「宮崎駿 イメージボード全集」
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宮崎駿イメージボード全集 1
- 著者名
- 宮崎駿/著 スタジオジブリ/編
- 出版社名
- 岩波書店
- 税込価格
- 4,620円
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宮崎駿イメージボード全集 2
- 著者名
- 宮崎駿/著 スタジオジブリ/編
- 出版社名
- 岩波書店
- 税込価格
- 5,280円
その他文中で登場した作品たち
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風の谷のナウシカ アニメージュ・コミックス・ワイド判 7巻セット
- 著者名
- 宮崎駿/〔著〕
- 出版社名
- 徳間書店
- 税込価格
- 4,367円
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ゲド戦記
- 著者名
- アーシュラ・K.ル=グウィン/原作 宮崎吾朗/脚本・監督 宮崎駿/原案 丹羽圭子/脚本
- 出版社名
- 徳間書店
- 税込価格
- 1,870円