図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 5
日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?
「世界一かんたんな図書館の使い方」
読書嫌いな人向けのこの本は、いい意味であなたの予想斜め上から始まります。
まずは本物のスパイの話についてから。
映画やドラマでスパイものは数々あります。最先端テクノロジーの装備、華麗なアクション、ラブストーリー等々見るものを魅了する要素盛りだくさんです。でも本物のスパイは列車の上で格闘戦や街中でカーチェイスなどしません。
では、どこで何をしているのでしょうか。
そうです。図書館にいるのです。本物のスパイが手に入れる情報の9割がオープンソース(公開情報)から入手されているのです。敵の基地への侵入も、高層ビルからのジャンプもありません。
かつて日本にも他国から恐れられていた実在するスパイがいました。唯一イギリスのMI5が調査ファイルを作成するほどの凄腕のスパイです。
彼がしていたことは新聞や雑誌、専門書を読み込むことです。人気漫画「スパイファミリー」の主人公も新聞を読むシーンがありますが偶然ですかね。
インターネットもSNSもない時代、アメリカで日独の暗号解読や情報収集をしていたのは図書館司書始めとする女性たちでした(「コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち」)。情報を集めて分析するスパイ技術を「オシント(オープンソースインテリジェンス)」といいます。
戦時中日本の外務省にはかつてアメリカの図書館で働いたことのある司書が配属されました。情報収集と分析のプロ、スパイ、ある意味で図書館司書もそうだったと言えます。
現在ではビジネス、人間関係等様々な場面で変化の兆しやチャンスを見抜く能力が求められます。かつてスパイの専門技術だった「オシント」を私たちがする時代になったのです。
図書館を最大限活用した有名人は誰でしょう。
それは、イーロン・マスク(「Elon Musk by Walter Isaacson」)、ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジなど。何れも図書館とは真逆のデジタル先端企業の創業者です。
子供のころから図書館に入り浸り、学校では習わない幅広い知識を吸収し、そして斬新な発想やアイデアを生み出したわけです。
ということで、ようやく図書館の使い方に至るのですが、そこは手元においてじっくりと読んでから図書館を活用してください。
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読書が苦手だった司書が教える世界一かんたんな図書館の使い方
- 著者名
- つのだ由美こ/著
- 出版社名
- 秀和システム
- 税込価格
- 1,760円
熱田図書館長 佐々木
5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。
趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。
今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。
文中で登場した作品たち
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コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち
- 著者名
- ライザ・マンディ/〔著〕 小野木明恵/訳
- 出版社名
- みすず書房
- 税込価格
- 3,960円
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SPY×FAMILY 1
- 著者名
- 遠藤達哉/著
- 出版社名
- 集英社
- 税込価格
- 528円