
図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 15
日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?
「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」
学生の頃、難解な哲学と宗教をいやいや勉強していた私にとって、この本はとにかく分かり易い。というより笑ってはいけないのかもしれませんが、何度読んでも涙が出るほどウケまくりです。
そもそも本嫌いな私が哲学書に手を出したのは人気となったアドラーの「嫌われる勇気」がきっかけです。
解説本なども購入し、哲学の何たるかを少々理解したつもりでいました。ところが「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」は、哲学者をある意味神格化していた私のこれまでの考え方を一新させる力がありました。お笑いの力で?
「西洋の哲学者たちが2500年以上もの間、『真理』を目指して苦闘を続け、それでもまだなお『真理』に到達できていないというのに、東洋の哲学者たちは『真理に到達した』などと言い放ってやがるのです」と著者も言い放ちます。
ちなみに、西洋哲学を詳しく知りたい方には著者の「史上最強の哲学入門」をおすすめします。
東洋哲学は「真理」に到達したと主張する人が神格化され、それが宗教となると説明しています。しかし、その「真理」は主張した人物以外誰も理解できず、後世の人々がそれぞれ勝手に解釈するため、結局何が正しいのかはわからなくなってしまいます。学べば学ぶほど訳が分からなくなるというわけです。
インドの釈迦たち、中国の孔子たち、日本の哲学者たちの考え方を歴史に沿って説明しています。それらの説明はとてもシンプルで、正直驚くほどわかり易くかつ面白いのです。
いや、バカにしているのか?義務教育で育った一般人の目からは、こんな風に書いて大丈夫なのかと心配してしまうほどです。
例えば、儒教の祖「孔子」について著者はこう言い放ちます。「孔子は何ひとつ事をなさなかったが、その『心意気』だけは中国史上最強であり、中国思想史の頂点に上り詰めた」ガッツだぜと。
なお、私の理想とするところは孔子の後に現れた墨子と墨家で、「墨攻」というコミックや映画にもなっていますので、是非ご覧ください。
ところで、かつて私は米国留学中に宗教の話をこじらせて中東の留学生に首をはねられそうになった経験があります。故に、ご不快に感じた方々から暗殺?されないよう保身として付け加えておきます。あくまでエンターテイメントとして読んでいただければ幸いですと。
「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」はこちら

↑↑↑タップで詳細・注文へ↑↑↑
史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち
- 著者名
- 飲茶/著
- 出版社名
- 河出書房新社
- 税込価格
- 1,012円
熱田図書館長 佐々木
5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。
趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。
今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。
文中で登場した作品たち

↑↑↑タップで詳細・注文へ↑↑↑
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
- 著者名
- 岸見一郎/著 古賀史健/著
- 出版社名
- ダイヤモンド社
- 税込価格
- 1,650円

↑↑↑タップで詳細・注文へ↑↑↑
史上最強の哲学入門
- 著者名
- 飲茶/著
- 出版社名
- 河出書房新社
- 税込価格
- 924円

↑↑↑タップで詳細・注文へ↑↑↑
墨攻 1
- 著者名
- 森 秀樹 画
- 出版社名
- 小学館
- 税込価格
- 710円