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【作家コラム:古内一絵 先生】 ~「マカン・マラン」シリーズは書店展開と口コミから生まれました~

2021年1月25日 投稿

 昨年、「マカン・マラン」シリーズが累計十二万部を突破し、一作目の「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」は十五刷、二作目の「女王さまの夜食カフェ」が十刷、三作目の「きまぐれな夜食カフェ」も十刷、最終巻の「さよならの夜食カフェ」は九刷となりました。

 一作目を上梓したのは二〇一五年の十一月ですが、当初はこの作品がここまで大きくなるとは想像していませんでした。

 ただ、担当編集のYさんより、「一作目の評判が良いので続編を書いてみませんか」というお誘いを頂いたときに、「それでは四部作にしませんか」とお答えしました。

「ふたたび、みたび、お四(し)まい、で」と。

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マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ

著者名
古内一絵/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
1,650円

 この雑談に近かった会話を実現することができたのは、ひとえに、書店さんの店頭展開と、読者の皆さんの口コミのおかげだと思っています。

「マカン・マラン」は初めから部数が大きかった訳でも、大きなプロモーションがあった訳でもありません。本当に、口コミだけでじわじわと浸透してきた作品です。

 その陰には、長きに亘って店頭展開をして頂いた書店員さんのご尽力と、SNSやブログを通して口コミを広げてくださった読者の皆様の並々ならぬ愛情がありました。本当に、感謝の気持ちで一杯です。

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女王さまの夜食カフェ

著者名
古内一絵/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
1,650円

「マカン・マラン」シリーズは、ドラァグクイーンのシャールが切り盛りする夜食カフェを舞台にしたストーリーですが、この物語を着想したきっかけは、私の会社員時代に遡ります。私は作家デビューする前、二十年間映画会社に勤務しておりました。

残業が当たり前の時代で、会社を出るのは常に二十二時過ぎ。帰って自炊をする気力もなく、でもこの時間に営業しているお店は居酒屋か、ラーメン店ばかり。どこかに、深夜に食べても胃にもたれない、温かな野菜スープや美味しいご飯を出してくれるお店はないかと、本気で考えていました。

 シャール、ジャダ、柳田という主要登場人物は、実は私のデビュー作「銀色のマーメイド」にも重要な役どころで登場します。夜食カフェを舞台に物語を作ろうとしたとき、シャールさんが「あら、私の出番ね」と腕まくりして出てきてくれたような塩梅で、すぐに物語が動き出しました。

 その後、商店街の裏道にあるすてきなランチカフェのお店に巡り合い、会社員時代の願望と、このお店の雰囲気が混じり合って「マカン・マラン」という夜食カフェが誕生しました。

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きまぐれな夜食カフェ

著者名
古内一絵/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
1,650円

 とは言え、私はかなり細かく取材をしないと筆が動かなくなってしまいます。その点は、担当編集のYさんが尽力してくださいました。「二十代の男性の悩みを知りたい」「美魔女の話を聞きたい」という、私のぼんやりしたリクエストにも、最大限のリサーチをして頂きました。また、四年間にわたり、同時期に一冊本を上梓するというのは、作家にとっても編集にとってもなかなか大変な作業だったのですが、その点でもYさんの力は絶大でした。朝の五時に原稿を送り、即座に「お待ちしておりました」と返信がきたときは、本気で怯えました。

「マカン・マラン」シリーズは一冊に四話の話が入っていますが、すべて春夏秋冬の物語になっています。基本は一話完結ですので、どのシリーズから読んで頂いても問題はありませんが、登場人物が少しずつつながっていますので、時系列が気になる方は、順番通りに読んで頂くのがお薦めです。

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さよならの夜食カフェ

著者名
古内一絵/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
1,650円

 そして、「マカン・マラン」0でもある「銀色のマーメイド」を併せて読んで頂くと、意外な隠し味に驚かれるかもしれません。

 既にご愛顧いただいている皆様も、初めての皆様も、店主のシャールと共に「マカン・マラン」へのご来店を心よりお待ちしております。

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銀色のマーメイド

著者名
古内一絵/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
770円

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フェア開催にあたって先生にコメントをいただきました!

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