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感想文に何を読む?「課題図書」をバイヤーが紹介 5・6年生

2021年6月24日 投稿

児童書バイヤーのHです。

オリンピックの開催にあわせて祝日の日程が変わっている事に気付いていない人、意外と居るかもしれないですね。
…ということを職場のパートさんと今朝話していたところです。

さて、今週は5・6年生向けの「課題図書」4冊をご紹介します。

小学校5・6年生向け 4作品

読み物フィクションが3点、ノンフィクションが1点で、動物がテーマの本が4点中3点と多めです。
自然環境やいじめなど、重めのテーマを取り上げた本が目立ちます。

【絵本or読み物/フィクションorノンフィクション/ページ数】
①作品のキーワード
②こんな人におススメ!
あらすじと、感想文の書き方など

牧場から逃げ出した子馬が向かう先は。

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エカシの森と子馬のポンコ

著者名
加藤多一/作 大野八生/絵
出版社名
ポプラ社
税込価格
1,760円

【読み物/フィクション/187ページ】
①キーワード
動物/自然/北海道/成長/意志/アイヌ
②こんな人にオススメ!
長い文章は苦手/将来の夢について考え始めている/旅行なら沖縄より北海道

北海道の牧場から逃げ出して、お気に入りの森でくらす子馬のポンコが主人公です。
居心地が良く、ずっとここに居ると思っていたポンコは、森を訪れる様々な生き物たちから広い世界と営みがあることを知らされます。
やが自分の意思で進むべき道を決める時、ポンコはどこへ向かうのか?
将来の夢や中学受験など「やりたいこと」を考え始める自分と照らし合わせて感想文が書けると思います。


眩しくて個性的な友達と過ごす大切な時間

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サンドイッチクラブ

著者名
長江優子/作
出版社名
岩波書店
税込価格
1,650円

【読み物/フィクション/237ページ】
①キーワード
友達/個性/成長/将来/放課後/創作/受験/挑戦
②こんな人にオススメ!
本を読むのが好き/中学受験を予定している/最近新しい友達ができた

中学受験を控える珠子が通う塾で成績トップクラスの有名人ヒカル。
真夏の砂場で砂像造りに挑み、将来の夢はアメリカ大統領という強烈な個性のヒカルとは環境も性格も違う珠子ですが、協力して砂像を作りながら互いにないものを認め合っていきます。
ヒカルだけでなく、砂像造りのライバルや師匠、塾で出会う友人たちなどの登場人物もまた個性豊か。
同年代の主人公が、自分がこうありたいと思う姿と、まぶしい友人の存在の間で揺れる心の動きを描く物語は共感しやすいのでは。
比較的長めで静かに進んでいくので、本を読み慣れている人におススメです。


大好きなアラスカが選ぶのは自分?アイツ?

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おいで、アラスカ!

著者名
アンナ・ウォルツ/作 野坂悦子/訳
出版社名
フレーベル館
税込価格
1,540円

【読み物/フィクション/255ページ】
①キーワード
動物/癲癇/介助犬/学校/家族/理解/犯罪被害/いじめ
②こんな人にオススメ!
本を読むのが好き/病気や怪我をしたことがある/犬と分かり合える自信がある

両親が強盗被害に遭ったパーケルが飼っていたレトリバーのアラスカは、てんかんを患う転校生スフェンの介護犬に。
うまが合わず反発しあう二人。ある夜二人はアラスカに互いを選ばせようとするが果たして?
犯罪の恐怖と持病というそれぞれが抱える不安と向き合いっていく、小学生の本としてはかなり思いテーマです。
表紙はアラスカのやさしいイラストですが、ページ数ももっとも多く読み応えがあって、かなり読み慣れている人向けです。

謎多き「森の哲人」の生態に、プロの視線で迫る。

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オランウータンに会いたい

著者名
久世濃子/著
出版社名
あかね書房
税込価格
1,430円

【読み物/ノンフィクション/171ページ】
①キーワード
動物/研究/生き方/地球環境/SDGS/自然人類学/フェアトレード
②こんな人にオススメ!
少しでも短い本が良い/動物のドキュメンタリーが好き/東南アジアを訪れてみたい

ゴリラ・チンパンジーに比べて個体数も少なく、未知の部分が多いオランウータンの生態をプロの視線で解説します。
生息地域が狭い、群れない、殆ど地上に下りないなど他の類人猿とかなり違うことに驚きます。
人の暮らしに欠かせない「パーム油」がオランウータンを絶滅させようとしている記述があり、身の周りの「パーム油」を探してみる学びも。
発見と、身近な世界に置き換える気付きから、フェアトレードなど世界の課題に話題を広げて感想文を書くことが出来ます。
ページ数も短くテーマも明確で、本を読みなれない人も感想文を書きやすくておススメです。

読みやすく書きやすいのは「オランウータンに会いたい」

読みやすいのは「エカシの森と子馬のポンコ」
書きやすいのは「オランウータンに会いたい」
読み慣れている人は「サンドイッチクラブ」
感想文を書き慣れている人は「おいで、アラスカ!」でしょうか。

※書いた人:バイヤーH
生まれた年代の課題図書の中に、名作「おしいれのぼうけん」があって驚きました。

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