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文庫こぼれ話《第33回 三洋堂書店便り》

2021年11月3日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

今週は”文庫”にまつわる裏話をひとつ。
本の中でも毎月の刊行点数が特に多いのが文庫というジャンルですが、その作品数の多さ故に、売場の一等地に陳列されることが許される「文庫ランキング」に入れるかどうかもまた、毎週熾烈な戦いが繰り広げられています。

有名作家さんの作品だと新刊がいきなりランキング入りすることも珍しくないのですが、店舗のスタッフやバイヤーが「面白いと思うから読んでほしい!」文庫作品は、いきなり大きな冊数仕入れて全店でお披露目することはなかなかできません。
まずは少ない店舗から展開を始めて、多くのお客様に購入していただける兆しが見えた作品の仕入れ冊数を徐々に全店へ拡大し、売場での展開も大きくしていくイメージですね。

まったく日の目を見なかった作品が文庫ランキングを鯉の滝登りのように駆けあがっていくこともあるので、三洋堂書店にお立ち寄りの際は文庫売場をちょいと眺めていただくと、先週まで平台の目立たない位置にあった作品がででーんと大きく展開されていることもあるので、面白いですよ。


そういうわけで。
今週は、そんな人気急上昇中の文庫作品をご紹介します!

「節約」家族小説

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三千円の使いかた

著者名
原田ひ香/著
出版社名
中央公論新社
税込価格
770円

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。
結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。
習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。
そして一千万円を貯めた祖母・琴子。

御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?

「三千円の使い方でその人のお金の価値観がわかる」一冊です。


家族とは何か?

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行方

著者名
春口裕子/著
出版社名
双葉社
税込価格
825円

幼稚園のお迎えに間に合わなかった日、3歳の娘が行方不明にー。

公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。
両親は必死に捜すが、一向に見つからない。
―22年後。自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、消息不明の妹を捜し続けている男だった。
同じ頃、浜名湖畔で父親の誠司とペンションを営んでいる楓。
ある日を境に、楓は誠司に対して不信感を抱く。
父は何か秘密を抱えて生きているのではないか。

交わるはずのなかった人生が交錯したとき、浮かびあがる真実。
切ない想いが胸を満たすサスペンス長編。


「生涯一事件記者」の、とっておき裏話

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もう時効だから、すべて話そうか 重大事件ここだけの話

著者名
一橋文哉/著
出版社名
小学館
税込価格
836円

殺人、未解決事件や、闇者会が絡んだ経済犯罪などをテーマに、ノンフィクション作品を次々と発表してきた”覆面ジャーナリスト”一橋文哉氏。
著者の原点となったグリコ森永事件から三億円強奪事件など、事件の独自ネタや事件の背景、社会の闇…今だからこそ語れる話が次々と明かされる。
特ダネをとる取材方法や失敗エピソードもあり、著者の、既刊にはない魅力が垣間見られる貴重な一冊。

今なら店頭で限定カバー版も発売中です。




書いた人:一般書・文庫バイヤーM


三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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