感想文に何を読む？課題図書をバイヤーが紹介　1・2年生

児童書バイヤーのHです。

夏休み（大昔）の宿題は自由研究が一番苦手でした。毎年親を巻き込んでギリギリまで苦戦しましたが、何を提出したか全く記憶にありません。

さて、同じくらい子供たちを悩ませる宿題が読書感想文。今年も「課題図書」が店頭に並びました。
「夏休みだけでいいから宿題も感想文も要らない…」というわけにもいかず、とりあえず1冊選ばなくてはいけません。
そこで…

今年の課題図書を児童書バイヤーが「実際に読んで」ご紹介

実際にどんな本が選ばれているのか？バイヤーが全18作品を読んでみました。
作品ごとの見どころや「こんな人におススメ！」というキーワードをご紹介します。
お子様が感想文を書きやすい本を選ぶご参考になればと思います。

小学校1・2年生向け　4作品

前置きが長くなりましたが、ここから本をご紹介します。
全部で18冊ありますので、まずは小学校低学年向けの4冊から。

【絵本or読み物/フィクションorノンフィクション/ページ数】
①作品のキーワード
②こんな人におススメ！
あらすじと、感想文へのアプローチなど

得意なことで、人に喜んでもらえるのってうれしい。

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あなふさぎのジグモンタ

著者名

とみながまい／作　たかおゆうこ／絵

出版社名

ひさかたチャイルド

税込価格

1,430円

【絵本/フィクション/32ページ】
①キーワード
生き物・虫・仕事・特技・やりがい・感謝
②こんな人にオススメ！
長い文章は苦手/虫・生き物が好き/自慢の得意技がある

一度つくった巣に穴が空いても、糸でつくろって繰り返し大切に使う。そんな生態を持つ「ジグモ」が主人公。
ある事をきっかけに、自分の仕事と特技へのプライドを見失ってしまいます。
物を大切に使うこと、特技と仕事へのプライドがテーマ。低学年向けの絵本ですが大人の世界に通じていて奥深いです。
ジグモの生態も興味深く、生き物好きのお子様は自分のお気に入りの虫などの話に感想文が膨らむかもしれません。

どうしても食べられない。「そのとき」はくる？

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そのときがくるくる

著者名

すずきみえ／作　くすはら順子／絵

出版社名

文研出版

税込価格

1,320円

【読み物/フィクション/79ページ】
①キーワード
好き嫌い・食育・夏休み・おじいちゃん・ばあちゃん・ともだち
②こんな人にオススメ！
本が好き/どうしても嫌いな食べ物がある/夏休みはおじいちゃんおばあちゃんに会いたい

「そのとき」はきらいなものが食べられる時のこと。
1年生のたくま君はなすが苦手ですが、家族も先生もけして無理に食べなさいと強要しません。
同じ物が嫌いなクラスメイトとの意気投合、夏休みにおじいちゃんの家でお手伝いした「野菜作り」。「そのとき」はくるのか？どんな子も共感すると思います。
文章が長めなので、普段から本を読むのが好きな人におススメ。やさしいイラストが随所に入って読みやすいです。

水を飲むために、毎日朝から歩く

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みずをくむプリンセス

著者名

スーザン・ヴァーデ／文　ピーター・Ｈ・レイノルズ／絵　さくまゆみこ／訳

出版社名

さ・え・ら書房

税込価格

1,650円

【絵本/フィクション/38ページ】
①キーワード
地球環境/SDGS/実話がモデル/世界の国々
②こんな人にオススメ！
人と違う感想文が書きたい/海外に興味がある/夢は世界貢献

ファッションモデルとして活躍する女性の体験と現在の活動をもとにした絵本。毎朝川まで水をくみにいく生活を送る女の子が主人公です。
自らの体験をもとに始めた故郷に井戸を作るプロジェクトについてあとがきで語られ、帯には「SDGS」マーク。地球環境を明確なテーマとしています。
絵本で文章は短いですがその分感想は難しい？自分のくらしとの比較、世界の国々への興味など、幅広い感想を書いて入賞を狙うぞ（？）というお子様にはオススメです。

きょうのおかずは、どこからきたの？

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どこからきたの？おべんとう

著者名

鈴木まもる／作・絵

出版社名

金の星社

税込価格

1,430円

【絵本/フィクション/32ページ】
①キーワード
食育/お弁当/お母さん/サプライチェーン/感謝/生産者
②こんな人にオススメ！
長い文章は苦手/食べるのが大好き/遠足はお弁当が一番の楽しみ

お母さんが作ってくれたお弁当には「きょうのおかず」とかかれたお手紙が。一つ一つのおかずがどうやってお弁当箱まで届けられたのか、丁寧に説明してくれます。最初はおかずに夢中だったぼくも、少しずつ作ってくれた人に想いをはせるように。そして食べ終わったお弁当箱にはお母さんへの「おみやげ」が。身近なテーマで「気付き」と「感謝」を自分の言葉で感想文に表しやすいと思います。
（余談ですが、巻末のおまけ「どこからきたの？このえほん」が書店としては嬉しいです）

ご参考になりましたでしょうか？
読みやすく書きやすいのは「あなふさぎのジグモンタ」「どこからきたの？ おべんとう」
読み慣れている人には「そのときがくるくる」「みずをくむプリンセス」でしょうか。

書いた人：バイヤーH
久しぶりに「課題図書」を熟読しましたが、テーマが幅広く奥深くて驚きました！


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