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エッセイ読んで「いとをかし」《第22回 三洋堂書店便り》

2021年8月11日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

大阪の出身なんですが、仕事中に関西弁が全然出ないねとよく言われます。
隠しているわけではないのですが、相手の話を聞くことが好きなので、あまり表に出ないのかもしれません。
(自宅ではめちゃくちゃ関西弁です。めっちゃすっきゃねん)

「人に歴史あり」とは昔のテレビ番組から広まった言葉だそうですが、人から身の上話を聞くのはとても面白いです。
特に自分とは世代が違う人の人生譚には、いつも興味深いものを感じます。
たとえば、学生の頃に両親から結婚するまでの馴れ初めを教えてもらったことがありますが、時代は違えど恋愛の感覚や若い頃の社会への反発心など、変わらないものもたくさんあるなとふむふむ頷いていたことを覚えています。
過去を懐かしむ、やわらかい表情が見える瞬間が特にいいですね。

身の上話といえば「エッセイ」というジャンルがありますが、世界最古のエッセイ(随想)は「春はあけぼの」で有名な『枕草子』(著:清少納言)だそうですよ。
執筆されたのは平安中期(西暦1,000年頃)ですが、

「悪口を言っていたら、その相手が真後ろにいた時の気まずさ」

やら、

「他の人が呼ばれたのに自分だと思って出て行ってしまった時の恥ずかしさ」

など、今読んでも共感できるあるあるネタがたくさん書かれてあります。
古典ですが、おすすめの一冊です。

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枕草子

著者名
〔清少納言/著〕 角川書店/編
出版社名
角川書店
税込価格
748円

というわけで、今週はおすすめのエッセイをご紹介します!


怒濤狂瀾の日々

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九十八歳。戦いやまず日は暮れず

著者名
佐藤愛子/著
出版社名
小学館
税込価格
1,320円

時は昭和から平成・令和へとうつり、今秋98歳になる作家・佐藤愛子先生が断筆宣言をした「最後のエッセイ集」。

夫が作った莫大な借金をひとり背負い込んで返済したけれど、人生の戦いはやまず、今も日も暮れていない――。
愛子センセイがヘトヘトになりながら綴った、抱腹絶倒のエッセイ全21編。

130万部を超えてベストセラーとなった前作『九十歳。何がめでたい』文庫版も同時発売です!


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九十歳。何がめでたい

著者名
佐藤愛子/著
出版社名
小学館
税込価格
660円

とにかく痛快!
小学生からお年寄りまで世代を超えてゲラゲラ笑いころげる面白さで、各界の著名人も笑って泣いて大絶賛!

旭日小綬章を受章した際の爆笑記者会見の模様、畏友・瀬戸内寂聴さんの解説も収録しています。

見たいものを見て、食べたいものを食べるのだ。

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美しいものを見に行くツアーひとり参加

著者名
益田ミリ/〔著〕
出版社名
幻冬舎
税込価格
649円

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ちょっとそこまで旅してみよう

著者名
益田ミリ/〔著〕
出版社名
幻冬舎
税込価格
506円

ほっこりしたいならこの方、益田ミリ先生の旅エッセイ2作品。

とにかくゆるゆる、マイペースな一人旅をご堪能ください。

天使的な言葉たちへの考察

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絶叫委員会

著者名
穂村弘/著
出版社名
筑摩書房
税込価格
748円

町には、偶然生まれては消えてゆく無数の詩が溢れている。
突然目に入ってきた「インフルエンザ防御スーツ」という巨大な看板、
電車の中で耳にした「夏にフィーバーは暑いよね」というカップルの会話。
ぼんやりしていると見過ごされてしまう言葉たち…。
不合理でナンセンスで真剣だからこそ可笑しい、天使的な言葉の数々。

歌人・穂村弘先生の著書の中でも特におすすめの一冊。
まじまじと真面目に読むものではないけれど、クスリと笑える言葉が満載です。

個人的に好きな話は、表紙にもある

彼「ウニって本当は宇宙人だったらこわいね」
彼女「わざわざ遠くから来てるのにお寿司にされてかわいそう」

お話の全容はぜひ本書の中で。


書いた人:一般書・文庫バイヤーM
私にとっての永遠のエッセイストは、原田宗典先生とナンシー関先生。

三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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