こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。
夏といえば怪談ですが、日本人が夏に怖い話をしたがるのは、夏には死者の魂が帰ってくるということで、お盆の時期に鎮魂の意味もこめて行われた「盆狂言」や「盆芝居」といったお芝居にルーツがあるそうですね。
そういえば子供の頃は、毎年お盆の時期になると父方の祖父母の家に親族一同集まっていたのですが、なぜか夜になると中庭に面した縁側に妙な恐怖を感じていたことを覚えています。
トイレというか厠(かわや)が母屋から少し離れた位置にあって、縁側を伝っていかないと行けなかったんですね。
居間では親族一同へべれけに酔っぱらってどんちゃん騒ぎをしているのに、中庭に出て引き戸を後ろ手に閉めた途端に訪れる静けさ。
その不思議な孤独感が怖かったんだと思います。
時々聴こえた、気の早い鈴虫の鳴き声ひとつ。
もしかしたら、曾祖父母やご先祖様がこっそり帰ってきていたのかもしれません。
それはさておき、今週は「家」にまつわる、ぞくりと怖いホラーな本をご紹介します!
この間取りの謎が解けますか?
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変な家
- 著者名
- 雨穴/著
- 出版社名
- 飛鳥新社
- 税込価格
- 1,400円
知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、
間取り図に「謎の空間」が存在していた。
知り合いの設計士にその間取り図を見せると、
この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が
存在すると言う。
謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋——
間取りの謎をたどった先に見た、
「事実」とは?
売れています!
ネットでも話題騒然!
この夏、ゾクリとしたいあなたにおすすめ。
―この物音は、何か可怪(おか)しい。
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残穢
- 著者名
- 小野不由美/著
- 出版社名
- 新潮社
- 税込価格
- 781円
転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。
だから、人が居着かないのか。
何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。
「十二国記」「ゴーストハント」のレジェンド・小野不由美先生がおくる、
戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
歪み
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長い腕
- 著者名
- 川崎草志/〔著〕
- 出版社名
- 角川書店
- 税込価格
- 649円
東京近郊のゲーム制作会社で起こった転落死亡事故と、四国の田舎町で発生した女子中学生による猟銃射殺事件。
一見無関係に思えた二つの事件には、驚くべき共通点が隠されていた……。
ミステリ小説なんですが、事件の核心となる「謎」の部分が実際にありえそうな内容で、じわりとした恐怖を覚えます。
読み終えると、数日間自宅の部屋をキョロキョロ調べたくなる一冊です。
書いた人:一般書・文庫バイヤーM
生まれて初めて観たホラー映画は、
コタツ(冬に重宝するあのコタツ)の化け物が大暴れする「バトル・ヒーター」。
三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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