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科学を愉しむ 《第30回 三洋堂書店便り》

2021年10月13日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

10月といえばノーベル賞ですね。
今年はノーベル物理学賞に、地球の気候を解析する手法を開発し、大気中の二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化に影響することを実証した、米国籍を持つ真鍋淑郎(まなべしゅくろう)さんが選ばれましたね。

ノーベル賞受賞者の会見は、示唆(しさ)に富んでいて興味深いものが多いです。
「国家」や「お金」のためという概念を超えた部分があるからかもしれません。
真鍋淑郎さんが、日本からアメリカに国籍を変えた理由を聞かれて語った内容も考えさせられるものがありました。

「日本では人々はいつも他人を邪魔しないようお互いに気遣っています。彼らはとても調和的な関係を作っています」
「日本で『はい』『いいえ』と答える形の質問があるとき、『はい』は必ずしも『はい』を意味しません」
「アメリカでは自分のしたいようにできます。実を言うと、他人を傷つけたくありませんが、同時に他人を観察したくもありません。何を考えているか解明したいとも思いません」
「私のような研究者にとっては、アメリカでの生活は素晴らしいです」

「私は他の人と調和的に生活することができないから」と最後に付け加えて会場の笑いを誘ったジョークも見事でした。
真鍋淑郎さん、一般的な本の形で著書を出版されていないかなと思ったのですが、ありませんでした。残念。


というわけで。
今月は科学の読物で面白いものがあるので、ご紹介します!

みんな知らない空と雲と天気のふしぎ78

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すごすぎる天気の図鑑 空のふしぎがすべてわかる!

著者名
荒木健太郎/著
出版社名
KADOKAWA
税込価格
1,375円

虹は半円形ではないこと、雨滴のてっぺんはとがっていない……などなど。
雲、雨、雪、虹、台風、竜巻など空(気象)にまつわる、おもしろくてためになる知識をやさしく紹介。
近年の豪雨、巨大台風、大雪にまつわる話題も豊富で、「天気・気象のなぜ?」が一気にわかります。

今年4月の発売当初からロングセラーで売れている一冊。
読めば、朝起きた時、空を見るのが楽しくなるかも。

まだまだ人体は謎だらけである。

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すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険

著者名
山本健人/著
出版社名
ダイヤモンド社
税込価格
1,870円

外科医が語る驚くべき人体のしくみ。

「外科医けいゆう」として、ブログ累計 1000 万 PV超、twitter(外科医けいゆう)アカウント8万人超のフォロワーを持つ著者が、人体の知識、医学の偉人の物語、ウイルスや細菌の発見やワクチン開発のエピソード、現代医療にまつわる意外な常識などをご紹介します。

頑張らなかったから生き残りました。

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はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密

著者名
稲垣栄洋/著
出版社名
筑摩書房
税込価格
880円

「平均的な生き物」なんて存在しない。
個性の数は無限大。
唯一無二の生命をつなぐために生き物たちがとってきたオンリーワンの生存戦略。

生物学の入門書ですが、そこから人間の「個性」「多様性」の話に議論を発展させています。
進化や遺伝子だけでなく、人生訓としても面白い一冊です。




書いた人:一般書・文庫バイヤーM
いつか「小学館NEO」の図鑑を全シリーズ購入して棚に並べたい。

三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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