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【2022年 課題図書(中学生・高校生向け)】忘れられない1冊に出会う夏

2022年6月3日 投稿

こんにちは!不定期登場のさめうさぎです。
今年も課題図書の季節がやってきました。これが来ると夏休みも間近に感じますね。

私からは中高生のの課題図書を紹介したいと思います。

小学生と違ってぐっとページが増えますので、いやだなあと思うかもしれませんが、夏休みという時間のたくさんある時だからこそ、長編を1冊読んでみてはどうでしょうか。

でもやっぱり読むのって面倒くさいなあ、そんな皆さんの為にちょっとだけ内容をお教えします。
これを見て、「あ、面白いな」と思ったものを選んでみてくださいね。

中学生の部

海を見た日

舞台はアメリカ、養子として暮らす3人の子供たちの家に、一人の男の子がやってきます。
彼、クエンティンは離れ離れになったお母さんに会いたいと、毎日落ち着きがありません。

10歳の長男、ヴィクは、クエンティンをお母さんのいる病院に連れていこうと計画し、皆に黙って家を飛び出します。
いつの間にか幼い末の子マーラまでついてきてしまい、仕方なく3人の旅が始まります。

長女である14歳のナヴェイアは一旦は放っておきますが、いてもたってもいられなくなり、3人の後を追いかけます。
4人の初めての旅が、彼らの関係を大きく変えていきます。
この物語はクエンティン、ヴィク、ナヴェイアの3人の視点で代わる代わるに書かれています。

最初は少し読みにくいと感じるかもしれませんが、3人の感情が同じ場面でも違いがわかります。読み進めていくと、場面転換がどんどん面白くなります。

 

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海を見た日

著者名
M・G・ヘネシー/作 杉田七重/訳
出版社名
鈴木出版
税込価格
1,760円

江戸のジャーナリスト葛飾北斎

葛飾北斎は90歳まで生きました。
その90年の生涯の中で、北斎にどんなことがあったのか、様々な文献を著者の千野境子さんが自身の感想を交えながら書かれた一冊です。

あの有名な『富岳百景』が描かれたのは、北斎が75歳の時。

それまでの北斎は一体どんな暮らしをしていたのか、家族構成や弟子時代の話、歌川広重はライバル?挿絵を描いてあげるほど滝沢馬琴とは仲良しだった?など、北斎の交流関係を紐解きます。

江戸時代の海外事情など、歴史も出てきますので、歴史好きな人も楽しく読めると思います。

 

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江戸のジャーナリスト葛飾北斎

著者名
千野境子/著
出版社名
国土社
税込価格
1,540円

セカイを科学せよ!

主人公はロシアと日本の「ミックスルーツ」のミハエル。中学2年生の彼は子供のころからずっと、自分の外見に悩まされて、極力目立たないように学校生活を送ってきました。

そこへ転校生の葉菜がやってきます。彼女はアメリカと日本の「ミックスルーツ」でした。
最初の自己紹介で「蟲」好きを堂々と公表し、科学部で飼育し始めます。

初めは葉菜に振り回されていやがっていたミハエル達科学部の部員たちは、その「蟲」の飼育を通して、打ち解けていきますが、ある事件をきっかけに、科学部は存続の危機にさらされてしまいます。
廃部を回避すべく、彼ら科学部員が先生たちを相手に、奮闘します。

 

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セカイを科学せよ!

著者名
安田夏菜/著 内田早苗/装画・挿絵
出版社名
講談社
税込価格
1,540円

高校生の部

その扉をたたく音

本屋大賞を受賞された瀬尾まいこさんの作品です。

ミュージシャンを目指す29歳無職の青年が、無料演奏に訪れた老人ホームで、サックスの演奏を耳にします。
それは彼にとって奇跡の音でした。その音に魅了されて、サックスを演奏した介護士さんと組んで演奏したい、とホームへ足を運ぶうちに、なぜか入居者たちと親しくなっていきます。

毎週、彼に色々な買い物をお願いするおばあさんがいます。
おばあさんは、辛いお菓子、面白い本、などはっきりしたものを指定しません。
おばあさんに馬鹿にされたくない、そんな思いからおばあさんの気にいるものを、一生懸命に考えて、彼は毎週ホームに通います。
それは、彼のくすぶり立ち止まっていた人生を、前に進めるきっかけになりました。

主人公の弾くギター、介護士の青年のサックス、ホームの老人たちの合唱、ウクレレを習おうとするおじいさん。読んでいると、この本には様々な音が聴こえてきます。

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その扉をたたく音

著者名
瀬尾まいこ/著
出版社名
集英社
税込価格
1,540円

建築家になりたい君へ

あの2020オリンピック会場になった新国立競技場を設計したのが、この本の著者、隈研吾さんです。
子供のころ、代々木体育館に魅了された隈さんは、建築の面白さを知ります。

この本では、学生時代の恩師について、万国博覧会に関しての感想、アフリカでの経験、木造建築への追及などなど、最終的に新国立競技場の設計をするまでに至った、隈さんのこれまでをふりかえります。

建築家になるには何が必要なのかを語っていますが、このことは建築家になる人だけに通じるものではなく、働くすべての人に、必要なものだと思います。

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建築家になりたい君へ

著者名
隈研吾/著
出版社名
河出書房新社
税込価格
1,540円

クジラの骨と僕らの未来

鯨類学者の中村玄さんの、クジラの骨研究者になるまでのお話です。
「鯨類学者」なんて、あまり耳にしませんが、どんな仕事をしているのでしょうか?

この本は、子供のころ亡くなったハムスターの「墓あばき」をして骨格標本を作ったり、中学の時の先生から牛の内臓を見せてもらったり、そんな、えーっと驚くような学生時代から、海洋大学時代のエピソード、初めてクジラの解体に立ち会った経験、海外研究の危険な旅など、様々な話が書かれています。

ちょっと過酷な話もありますが、その表現がコミカルなのでワクワクドキドキしながら読めます。

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クジラの骨と僕らの未来

著者名
中村玄/著
出版社名
理論社
税込価格
1,430円

いかがだったでしょうか。
課題図書というと、感想を書かなきゃいけないからと身構えて読んでしまうかもしれませんが、実はどの話も読み手に訴えたいことは、わかりやすく書かれています。

中高生は読み物系と、ノンフィクション系にわかれますので、読む本に迷ったら、そこを基準に選んでみてもいいと思います。
もちろん、読書感想文はこの本じゃなきゃダメということもありませんので、あくまでも参考にしていただければ嬉しいです。

読書感想文を通じて本を読むことが楽しくなってくれれば、それが一番ですね。

 


 

書いた人:さめうさぎ(大野店)
本と雑誌を積み読する日々を送る人。
好きな小説のジャンルは「人の死なないミステリー」と「食べ物」。短編好き。
毎年歴史検定を受ける人。

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