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【作家コラム:Swind/神凪唐州 先生】~私と地元~

2020年11月21日 投稿

 皆さんこんにちは、こんばんわ。作家兼名古屋めし料理家のSwind(文芸名義:神凪唐州)と申します。
 このたび、ご縁を頂きまして三洋堂書店さんのホームページリニューアル記念に寄稿させて頂くこととなりました。貴重な機会を頂き大変感謝しております。

 名古屋生まれ名古屋育ち名古屋在住な私ですが、三洋堂書店さんは小さな頃から数え切れないぐらい足を運んだ本屋さんです。名古屋東部に住んでいた私にとって「家の近くで一番大きな本屋さん」といえば三洋堂書店の現いりなか本店。小学校時代は親に連れられて、中学生になったらお小遣いやお年玉を握りしめ、高校の頃は学校帰りにしょっちゅう寄っておりました。
 大学に入ってからは上前津Σ店(現上前津店)でパソコン関係の専門書やお気に入りの漫画を買うのが定番。そんなお世話になった三洋堂書店さんに自分の書いた作品が並んでいるわけですから本当に驚きです。
 ちなみに拙作「大須裏路地おかまい帖(神凪唐州名義/宝島社刊)」には上前津店さんが登場していたりします。ぜひ探してみて下さい。

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大須裏路地おかまい帖 あやかし長屋は食べざかり

著者名
神凪唐州/著
出版社名
宝島社
税込価格
715円

さて、いつも名古屋に関連した作品ばかりを書いている私ですが、作品作り煮向けた取材(と言う名の食べ歩き)を重ねるほど名古屋には個性的な街だらけだなと感じます。
 例えば大須は秋葉原と巣鴨と原宿をミックスしたような「ごった煮」の街。名古屋の老若男女が集う、バイタリティ溢れたエリアですね。
それに対し、円頓寺界隈はノスタルジィな風情が随所に感じられるエリア。静謐な中で歴史を感じられる四間道、毎日がお祭りのようなワクワク感の溢れる駄菓子街の明道町と合わせて、こちらも独特な雰囲気を醸し出しています。「動」の大須界隈に対して「静」の円頓寺界隈といったところでしょうか。

 直近刊の「屋上屋台しのぶ亭(神凪唐州名義/マイナビ出版ファン文庫)」の舞台となった錦二丁目もまた面白い街ですね。かつての繊維問屋街としての風情が残りつつ、最近では飲食店も増えて新しい賑わいもできつつあります。

 そんな街をふらりと歩いているとあちこちに目につくのが寺社仏閣。門前町として発展した大須はもちろんなのですが、円頓寺界隈にも多くのお寺や神社がありますし、四間道の軒先には「屋根神様」がまつられています。

 また、錦二丁目界隈を散歩すると、道路で区切られた100メートル四方のブロックの真ん中に寺社が今でも残っていることに気がつくことでしょう。これはかつて清洲から名古屋城下に街が移された際、100メートル四方に区切られた中央部を「閑所」として整備し、その中に寺や神社を移したことがきっかけ。普段は街の人々の憩いの場として使われていましたが、街の防災や有事の際の防衛拠点としても使われることを想定していたそうです。ちなみにこうした小さな寺社仏閣が多いこともあって、愛知県は全国で最も「お寺が多い」都道府県だったりもします。

 戦後の発展で名古屋の街はいろいろと移り変わってきていますが、その中でも街角を見ているとあちらこちらにお寺があったり、祠のような鳥居があったりと、街に密接して様々なものが残っていることに気づかされます。寺社に限らず、例えば真新しいオフィスビルの隣に昔ながらの喫茶店のパトランプが光っていたり、大きなビルが立ち並ぶ道を一本入ると賑やかな喧騒に包まれた魚河岸があったりと、新旧が混ざりあって独特の雰囲気を生み出している場所がたくさんあります。

 これからも、そんな名古屋の街の独特の魅力を伝えていける作品を生み出していきたいと思っております。

 近刊「屋上屋台しのぶ亭 ~ 秘密という名のスパイスを添えて」は、錦二丁目にある古びたビルの屋上に設けられた屋台が舞台。ワケアリ屋台を営む覆面の店主と秘密を抱えた客たちが織りなす短編連作作品です。

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屋上屋台しのぶ亭 秘密という名のスパイスを添えて

著者名
神凪唐州/著
出版社名
マイナビ出版
税込価格
748円

 屋台が舞台と言うことで、本作にも多くの料理を登場させています。実は本作に登場させた料理のテーマは「家でも作れる創作名古屋めし」。名古屋人なら誰もが懐かしいと思う「白いスープのラーメン」に、激辛で有名な台湾ラーメンのミンチを使ったアレンジ料理、豆味噌を使ったビーフシチューなど、私のもう一つの側面で或名古屋めし料理家として開発してきた様々な「創作・アレンジ系名古屋めし」を多数登場させています。

 ちなみに筆者のお勧めは「レンチンするだけで作れるローストビーフ」。手間のかかるローストビーフも実はレンチンするだけで驚くほど簡単に作れてしまうんです。詳しい作り方はyoutubeの動画で紹介していますので興味のある方はぜひ見てやって下さいませ。

 少し長くなってしまいましたが、ひとまずこの辺りで。またお目にかかれる日を楽しみにしております!

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