いろいろあった2020年、本当にあっという間に年末ですね。
年末の風物詩といえば…そう、各社から発表される今年のミステリ・ランキングです。
宝島社「このミステリーがすごい! 2021年版」、早川書房「ミステリが読みたい! 2021年版」、文藝春秋「週刊文春ミステリーベスト10」…今年はこれら主要三社のランキングを総ナメにする怪物が現れました。
2020年の三冠王!『たかが殺人じゃないか』
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たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説
- 著者名
- 辻真先/著
- 出版社名
- 東京創元社
- 税込価格
- 2,420円
舞台は昭和24年。戦禍の跡も未だ拭われない名古屋。
学制改革により男女共学となった新制高校、「東明学園」。
その3年生となった主人公たちの高校生活と、その中に突如として(キティ台風と共に)闖入する殺人事件の謎が、当時のナゴヤの豊かなディテールと共に描かれます。
御齢88! 巨匠・辻真先の新・代表作。
作者・辻真先先生は1932年愛知県生まれ。
アニメの脚本家としては『鉄腕アトム』から『名探偵コナン』まで、まさに黎明期から日本のアニメをクリエイトし続けたレジェンドであり、ミステリの畑でも、ポテト&スーパーシリーズや『完全恋愛』(牧薩次名義)など、謎解きの魅力と時にそれを超える稚気に溢れた傑作をものしてきた、押しも押されもせぬ巨匠です。
米寿を迎えられてなお、衰えを知らぬ本格魂と稚気が結実した、新たな代表作がこの『たかが殺人じゃないか』なのです!!
戦後復興期の名古屋、その臨場感溢れる追体験。
焼け跡の野原に市電が走る、現在の東山線沿線。
100メートル道路の敷設に向けて、用地接収のすすむ栄中心部。
大曽根周辺に広がる、アンダーグラウンドの闇と猥雑。
奥三河の自然と遊園廃墟。
当時の名古屋の姿が、豊かなディテールと共に眼前に立ち上がってきます。
主人公たちに同化して、その中を駆け回っているような感覚が得られます。
同時代の名古屋に青春を過ごされた作者ならではの臨場感、名古屋をよく知る読者ならなおさら、読み逃すテはありません!!
ちなみに店頭で併売中↓
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占領期の名古屋 名古屋復興写真集
- 著者名
- 阿部英樹/編
- 出版社名
- 風媒社
- 税込価格
- 1,760円
「推理小説」と「海外映画」。時代風俗とビビッドな青春。
ストーリィの中心となるのは、主人公たちが所属する「推理小説研究部」「映画研究会」の活動…合宿や文化祭に向けたスチール撮影の中で起きる殺人事件。
戦中禁制品であった文化にのめりこむ高校生たちの青春がビビッドに、その中でのボーイ・ミーツ・ガールが一抹のせつなさを添えて描かれています。辻先生88歳の筆…みずみずしすぎやしませんか!!
当時を知る人は懐かしく、現在の読者なら彼らの熱に共感を持って、いずれにせよ胸を熱くさせる青春ミステリであります。
名犯人。詳しくは語れない。
そうした時代背景と不可分なものとして、ミステリとしての構図とそのインパクトがあります。
ネタバレを避けるために詳しくは書けませんが、この犯人の造形はここ数年読んだミステリの中でも群を抜いて印象的なものでした。
ここでは、それに対峙する名探偵の活躍する作品を紹介するにとどめます。
『深夜の博覧会』
『たかが殺人じゃないか』前日譚です↓
昭和12年(1937年)5月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。
開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。
取材の最中、名古屋にいた女性の足だけが東京で発見されたとの知らせが届く。
二都市にまたがる不可解な謎に、那珂少年はどんな推理を巡らせるのか?
前日譚が早くも文庫化!予約受付中!!
『たかが殺人じゃないか』前日譚『深夜の博覧会』が2021年1/28(木)に早くも文庫化です!
こちらも名古屋が舞台ということで、三洋堂書店で全力応援!
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深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
- 著者名
- 辻真先/著
- 出版社名
- 東京創元社
- 税込価格
- 990円
2021年、ミステリ始めはこれ!!
優れた本格ミステリであり、青春小説であり、歴史小説であり、ナゴヤ小説である。
名実ともに今年のNO.1ミステリとなった巨匠渾身の怪物的傑作を、三洋堂書店は店頭でも全力で推して参ります。
上前津店除く全店舗で大展開中です!!
書いた人:バイヤーO
大学ではミステリ研究会に所属し合宿もしましたがついぞ殺人事件には遭遇せず。
辻作品初体験は小学生時分の「迷犬ルパン」でした。
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