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【熱田図書館コラムVol.33】現実世界の理不尽さに向き合いながら、自分の中の正義とともにしなやかに生きていく「17歳のサリーダ」を推す

2026年3月8日 投稿

図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 33

日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?

「17歳のサリーダ」

いじめが原因で高校を中退した、畑村新菜。
暇つぶしに散歩をしていたらギターの音が聞こえてきた。その音と歌声の出どころを探すと、地元の知らない洋食屋でギターを弾き歌うコック発見。蛇の入れ墨に長髪でかなり危ない感じの男。だけど彼の奏でる音楽の迫力や熱い凄みのある声に惹かれる新菜。男の名はジョージ。そして元JKはフラメンコと出会う。

親友がいじめられ遠くへ引っ越した後、自分がいじめの標的になった。新菜は大人しくせず、教室でキレて椅子を振り回して抗議しようとしたが、転んで机の角でこめかみを切って、流血沙汰に。放課後母と呼びだされ、担任は「このクラスにトラブルがあることは以前から把握していました」と宣った。いじめをわかっていて放置していた学校に不信感を抱き、その日の帰り道で母に高校をやめると宣言。退学の手続きをする間、学校側は新菜を引き留めた。「はぐれ者に居場所があるほど、世間は優しくない」と言って。

この話を聞いたジョージは新菜に言う。「それ、おまえがはぐれたんじゃないだろ。みんなが群れただけだろ」と。そして後にフラメンコの先生になる玲子さんは憤って言う。「いじめの加害者なんて総じてクソかクズだよ。ほんのちょっと普通から外れただけで居場所がなくなるなら私もジョージもとっくに路頭に迷っているわよ。世界は広い。居場所はいくらでもある。ないと感じるのは新菜が他の世界を知らないだけよ」と。

1年でチアダンス部のレギュラーだった新菜はフラメンコにのめり込んでいく。そして、地元のダンスフェスティバルに出場させられることに。「聞いてない! 信じられない! 嘘でしょ!」と新菜は叫ぶ。なにせ新菜と同じく1年でチア部レギュラーだったいじめの主犯格も間違いなく出場するダンスフェス。ところがジョージは気楽に言う。「一位はクオカード5千円。一儲けしようぜ」と。大人はバカなのかと新菜は思うのだが、やがてジョージや玲子先生にも彼らの外見や性格からは全く想像できない事情があることを知る新菜。

「無駄な事なんて一つもない。苦しかったし、辛かったし、寂しかった。何もかも最悪だと思ってた。だけど今なら、そのおかげで強くなれたって言えるよ」と、新菜はフラダンスを楽しんでいる今の自分から遠く離れた親友に向けて・・・。

人生って順調なだけだと退屈だよ。狭い世界でこじんまりするくらいなら、『JK、インドで常識ぶっ壊される』ぐらいいかが? JKよ、大志を抱け!

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17歳のサリーダ

著者名
実石沙枝子/著
出版社名
講談社
税込価格
1,980円

熱田図書館長 佐々木

5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。

趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。

今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。

文中で登場した作品たち

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JK、インドで常識ぶっ壊される

著者名
熊谷はるか/著
出版社名
河出書房新社
税込価格
1,650円

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