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三洋堂の”推し”作品 2021 《第40回 三洋堂書店便り》

2021年12月29日 投稿

こんにちは、一般書・文庫バイヤーのMです。

上の子どもが「なぜなぜ期」に突入したようで、質問攻めにあうことが増えてきました。
ものの本によると、知的好奇心を伸ばす大切な成長過程らしいので、わからないことも一緒に調べながら答えるようにしているのですが、子供にわかる言葉で簡潔に説明するのに難儀します。

アニメや映画のキャラクターが「なんで泣いてるの?」というような、
自分が得意な分野の質問には、国語はまかせろと言わんばかりに即答できるのですが、
「なんで魚の上のはね(ひれのことらしい)はいろんな形があるの?」という自然科学的な質問には、
すいませんお父ちゃんまったく答えられません状態が続いています。

清く正しく育ってほしい、とにかくなんでもわかりやすく答えてあげねばっ! を信条に過ごすこと数ヶ月、
先日唐突に受けた「お年玉ってなあに?」という質問に、うっかり口をついて出た回答がこちら。

「それはあれよ、子供が大人にお金をおねだりするイベントよ」


それはさておき。
2021年ラストは今年一年を振り返りまして、三洋堂書店の売場で応援してきた作品の中から、特に印象的だったものをピックアップしてご紹介します!

三洋堂のロングセラー

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木曜日にはココアを

著者名
青山美智子/著
出版社名
宝島社
税込価格
704円

三洋堂書店で年間通して全力応援中!
愛知県出身の青山美智子先生、文庫作品第1作です。

実は青山美智子先生の新刊が出る度に販売数が伸びており、2019年8月発売時からずっと売れ続けている隠れたロングセラーとなっています。
やさしさがあなたをつつみこむ、小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集です。

名古屋市出身”ミステリ界のレジェンド”

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深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説

著者名
辻真先/著
出版社名
東京創元社
税込価格
990円

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たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

著者名
辻真先/著
出版社名
東京創元社
税込価格
2,420円

著者自らが経験した戦前・終戦直後の名古屋を駆け抜ける、「那珂一兵(なかいっぺい)」シリーズ2作品。
今年の1~3月にかけて、三洋堂書店で全力応援したミステリの大作です。

ちなみに、推理作家で脚本家でもある著者の辻真先先生は御年89歳!
往年のミステリファンからは”レジェンド”と呼ばれている方で、年齢を感じさせない文章は読みごたえ充分。
読まれる場合はぜひ『深夜の博覧会』から『たかが殺人じゃないか』の順に読破ください!

全ての”がんばりきれなかった人”たちへ

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敗れざる者たち 新装版

著者名
沢木耕太郎/著
出版社名
文藝春秋
税込価格
770円

才能があるのに、くすぶり続けているボクサー。
天才の影で消えていった野球選手。

それでいいのか?
燃え尽きる場所が欲しくはないのか?
と問う沢木耕太郎先生の筆力が圧倒的。


愛媛県の書店チェーン、明屋書店さんとコラボフェアを開催した際に私が個人的に激推しした一冊。

名作です。
一度でも、時間を忘れるほど何かにうちこんだことがある人に読んでほしい。
続編にあたる『一瞬の夏』(上・下巻)もおすすめ。

年末年始のお供にぜひ!ぜひどうぞ!


ちなみに、沢木耕太郎先生から明屋書店さんとのコラボフェアに際してコラムの寄稿をいただけることが判明した瞬間は、部内でどよめきが起こりました。




書いた人:一般書・文庫バイヤーM
イラスト:nocconokko
お年玉の由来は「御歳魂」という丸い鏡餅のことで、お正月にお供えした後に家族に分け与えられていたのが始まりだそうです。
良いお年を。

三洋堂書店便りは毎週水曜日更新。
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