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【熱田図書館コラムVol.31】海を越えた元白虎隊、迫害の連鎖を断切る闘いに身を投じる「虎と兎」を推す

2026年1月25日 投稿

図書館館長なのに「借りるより買いたい本」を推すシリーズ vol. 31

日々10万冊を超える本に囲まれながら年間2,000冊以上読む図書館館長がどうしても手元におきたくて買ってしまう本とは?

「虎と兎」

時は幕末。会津白虎隊でただひとり生き残った少年、三村虎太郎15歳。維新後、様々な縁あって彼はアメリカへ渡る。

移民コロニーで農作業の傍ら、会津藩御留流である門外不出の柔術の稽古をつけてもらい充実した日々を過ごす虎太郎。ある日、魚取りに出かけた帰り、倒れていた少女を見つけ、背負ってコロニーに連れ帰る。しかし、コロニーの責任者の一人が彼に忠告する。「その娘はインディアンだ。あまり関わらない方がいい。その子には出て行ってもらえ」と。

少女の名ルルはシャイアン族の意味で兎。部落を第7騎兵隊に襲撃され、虐殺を逃れて、狙われる身だった。虎太郎は、なぜアメリカ兵が11歳の小娘であるルルひとりを執拗に追うのか違和感を覚える。

白人がいかにしてアメリカ先住民を迫害し続けてきたかをルルから聞いた虎太郎は、新政府軍につぶされた会津武士である己の身を重ね合わせる。ほどなく、ルルを探すカスター将軍の依頼を受けたピンカートン探偵社から狙われてしまうコロニー。ルルが狙われる理由―それは、南北戦争後のアメリカに再び戦火をもたらす恐れのあるもの。ルルがカスターの隙をついて盗み出したものだった。

日本人コロニーに迷惑をかけるわけにはいかないと、シャイアン部族に帰ろうとするルルに、「先住民と俺は似ている。他人事とは思えない」と一緒に行く決意をする虎太郎。それを聞いたルルは訳が分からないという顔をしつつも礼を言い、大粒の涙を流す。

虎太郎は先住民の味方となって、幾度もアメリカ兵を相手に武術を駆使して勇猛果敢に戦い続ける。行く先々でピンカートンに命を狙われながら。やがてコロニーを旅立ち5年半の月日が経ち、ビリー・ザ・キッドも仲間に加わり、宿敵カスター将軍との決戦を迎える。

これは史実に基づく侍ウェスタン。西部劇ファンであり、歴史の“もしも”好きなら必読だ。

源義経が実は生きていてチンギスハーンになった『成吉思汗の秘密』とか、徳川幕府による国内平定後多くのサムライが傭兵となって海外で活躍していたとか、その手の話が大好物な方々には「虎と兎」はまさに一推し作品。

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虎と兎

著者名
吉川永青/著
出版社名
朝日新聞出版
税込価格
2,090円

熱田図書館長 佐々木

5歳で角膜移植した際、ドクターからの「喫煙禁止」と「読書禁止!」との言葉を忠実に守り続けるも、なぜか現在図書館長。

趣味は合気道、英語学習、旅行、温泉、アニメ、韓流、カラオケ、SNS、読書?
その他テニス、スキューバ、サーフィン、水泳・・・多趣味でキリがありません。

今現在の推しアイドルは、「ILLIT」! かつては「少女時代」。
アフタヌーンティーは日本、英国など有名店を制覇中。
こだわりはスコーン。

文中で登場した作品たち

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成吉思汗の秘密 新装版

著者名
高木彬光/著
出版社名
光文社
税込価格
990円

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