2023年1月19日(木)、第168回芥川龍之介賞と直木三十五賞が発表されました。
芥川龍之介賞(芥川賞)は
井戸川射子さんの『この世の喜びよ』(『群像 7月号』掲載)
佐藤厚志さんの『荒地の家族』(『新潮 12月号』掲載)
直木三十五賞 (直木賞)は
直木賞は小川哲さんの『地図と拳』
千早茜さんの『しろがねの葉』
が選ばれました。
芥川龍之介賞・直木三十五賞は、公益財団法人日本文学振興会(※1)が主催している文学賞。
文藝春秋の創業者、菊池寛(※2)が昭和10年に制定しました。
芥川賞は雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品の中から選ばれます。
直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから選ばれます。
※1・・・日本文学振興会:芥川龍之介賞、直木三十五賞、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞を主催する公益財団法人
※2・・・菊池寛(明治21年~昭和23年):小説家、劇作家、ジャーナリスト。代表作は『真珠夫人』
《受賞作》
▼芥川龍之介賞(芥川賞)
井戸川射子『この世の喜びよ』 (『群像 7月号』掲載 )
佐藤厚志『荒地の家族』 (『新潮 12月号』掲載 )
▼直木三十五賞 (直木賞)
小川哲『地図と拳』
千早茜『しろがねの葉』
芥川龍之介賞(芥川賞)
井戸川射子『この世の喜びよ』 (『群像 7月号』掲載 )
井戸川 射子
1987年生まれ 関西学院大学社会学部卒
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《作品紹介》
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。
▼作品リスト
『する、されるユートピア』(2018年私家版)19年青土社刊=第24回中原中也賞受賞。
『ここはとても速い川』20年群像11月号、単行本は21年講談社刊=第43回野間文芸新人賞受賞。
『遠景』22年思潮社刊。
佐藤厚志『荒地の家族』 (『新潮 12月号』掲載 )
佐藤 厚志
1982年生まれ。東北学院大学文学部英文学科卒業。仙台市在住、書店勤務。
2017年、第49回新潮新人賞を『蛇沼』で受賞しデビュー。
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《作品紹介》
元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。
▼作品リスト
『蛇沼』2017年新潮11月号。
『境界の円居』第3回仙台短編文学賞大賞受賞=20年小説すばる5月号。
『象の皮膚』21年新潮4月号=第34回三島由紀夫賞候補、単行本は21年新潮社刊。
直木三十五賞 (直木賞)
小川哲『地図と拳』
小川哲
1986年生まれ。東京大学教養学部卒。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。
2015年『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。
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《作品紹介》
【第13回山田風太郎賞受賞作】
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。
▼作品リスト
『ユートロニカのこちら側』2015年早川書房刊。
『ゲームの王国』(上・下)17年早川書房刊=第38回日本SF大賞受賞、第39回吉川英治文学新人賞候補、第31回山本周五郎賞受賞。
『噓と正典』19年早川書房刊=第162回直木賞候補。
『君のクイズ』22年朝日新聞出版刊。
千早茜『しろがねの葉』
千早茜
1979年生まれ。立命館大学文学部卒。2008年「魚神(いおがみ)」で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
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《作品紹介》
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!
▼作品リスト
『魚神』2009年集英社刊=第37回泉鏡花文学賞受賞。
『あとかた』13年新潮社刊=第20回島清恋愛文学賞受賞、第150回直木賞候補。
『男ともだち』14年文藝春秋刊=第151回直木賞候補、第36回吉川英治文学新人賞候補。
『透明な夜の香り』20年集英社刊=第6回渡辺淳一文学賞受賞。
『ひきなみ』21年KADOKAWA刊=第12回山田風太郎賞候補、第38回織田作之助賞候補。
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