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NHK大河ドラマ 鎌倉殿のお薦め本

2022年12月24日 投稿

こんにちは!
歴史と地図と一人旅が大好きの 新開橋店の雪餅です!

2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
脚本は「真田丸ブーム」を作った三谷幸喜さん。
様々な史料の説を絡めたオリジナルストーリーです。

本記事では、鎌倉殿をより楽しむための歴史本を、毎週の放送に合わせてご紹介します。

本の画像をクリックすると、そのままネット注文できます。
三洋堂書店での受け取りなら、手数料&送料は無料です。

【最終更新:2022/12/19】

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室町時代のお薦め本も紹介しています。良かったら見て下さい。
『新九郎、奔る』『逃げ上手の若君』 漫画界に「室町ブーム」が到来!?

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第41回「義盛、お前に罪はない」


鎌倉を守るために大江広元(栗原英雄)とも共謀し、反北条の旗頭となった和田義盛(横田栄司)の転落をもくろむ義時(小栗旬)。
戦を回避するべく源実朝(柿澤勇人)と政子(小池栄子)が奔走する中、三浦義村(山本耕史)、八田知家(市原隼人)ら有力御家人は、義盛の陣営に集い情勢を見定めていた。
そんな中、父・義盛の安否を心配する朝比奈義秀(栄信)らが打倒北条を目指して決起。
一方、失意に暮れる泰時(坂口健太郎)は――

「私(源実朝)は父上や兄上のように強くない。
だから強き御人の御力をお借りする。
そうすれば鎌倉で血が流れることも無くなる。
違うか?」
「安寧の世を創る。父にも兄にも成しえなかったこと。
戦はもういい。
私の手で新しい鎌倉を創る。」

今週のお薦め本は、
高橋慎一朗先生の『幻想の都 鎌倉 ~都市としての歴史をたどる~』(光文社新書)

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鎌倉は日本人の記憶と想像のなかでつくられた都市だった――。
たとえば「武家の古都・鎌倉」が世界遺産として認められないのはなぜか。
われわれが認識している古都鎌倉は、鎌倉時代そのままの「古都」ではなく、古都の魅力に惹かれた人々が、時代ごとに付け加えてきた由緒や魅力、言い換えれば「幻想」の集大成と言えるからである。
日本人が記憶と想像のなかで愛し続けてきた都市鎌倉の実像と魅力を、源氏以前の時代から現在までの通史をたどることで浮かび上がらせる。

第42回「夢のゆくえ」


決意を新たにした源実朝(柿澤勇人)は、後鳥羽上皇(尾上松也)を手本として人任せにせず自ら裁定を下すことを決意。
泰時(坂口健太郎)をそばに置き、自身の政まつりごとを進める。
一方、鎌倉内での地位を盤石なものとした義時(小栗旬)は、のえ(菊地凛子)に勧められて執権を名乗ることを決断。
未熟な実朝らをけん制する。
実朝と義時との関係がうまくいっていないことに政子(小池栄子)が気をもむ中、源仲章(生田斗真)が京から戻り――

「頼朝様が世を去られて、どれだけ月日が流れようと、
あなたはその妻であったことに変わりはない。
あのお方の想いを引き継ぎ、
この鎌倉を引っ張っていくのは“あなた”なのです。
逃げてはなりませぬ。」

今週のお薦め本は、
北条政子を描いた伊東潤先生の小説『修羅の都』『夜叉の都』
※『修羅の都』はハードカバーと文庫の2種類があります。

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『修羅の都』
この鎌倉に「武士の世」を創る!という願いを叶えるため手を携えて進む、源頼朝と政子。
叔父や弟の義経たち、さらには我が子を犠牲にしてまでも幕府を盛り立てる。
魔都鎌倉を舞台に、権力者の孤独と強い絆で結ばれた夫婦の姿をダイナミックに描いた長編傑作歴史小説。
頼朝晩年に隠された大いなる謎とは一体?

『夜叉の都』
源頼朝の死後、北条政子との間の息子・頼家が将軍職を継いだ。
だが頼家は酒色に興じ、その期に乗じ、政子の弟・北条義時は頼家の側近の梶原氏の失脚を画策する。
だがそれは、不穏な時代の幕開けに過ぎなかった――。
義時とともに、“夜叉のごとき”苛烈さで多くの政敵を滅ぼし、幕府を守り抜いた政子を描く圧巻の歴史巨編。

第43回「資格と死角」


源実朝(柿澤勇人)に嫡男が誕生せず、後継者問題がくすぶっていた鎌倉。
そこに修行を終えた公暁(寛一郎)が帰還。
その胸には鎌倉殿となることへの強い意志を宿しており、乳母夫めのとである三浦義村(山本耕史)と共謀する。
一方、義時(小栗旬)と実衣(宮澤エマ)も実朝の言動に不満を抱き、思案を巡らせていた。
そんな中、実朝の相談に対して後鳥羽上皇(尾上松也)から返事が届く。
これに政子(小池栄子)や泰時(坂口健太郎)は――

「お前(泰時)は私(義時)を良くは思っておらぬ。
しかし私は、お前を認めている。
いずれお前は執権になる。
お前なら“私が目指していてなれなかった者”になれる。
その時、必ずあの男が立ちはだかる。
源仲章の好きにさせてはならぬ。
だから今から気をつけよ。借りを作るな。」

今週は、トキューサの蹴鞠外交に因み、池修先生の『日本の蹴鞠』をご紹介。

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千年以上の歴史がある日本古来のスポーツ「蹴鞠」。
優雅に鞠を蹴り合う軟弱なイメージがあるかもしれないが、決してそれだけではない。
本書では、蹴鞠の成り立ち、発展、現在にいたる歴史は勿論、衣装や蹴り方、武家や人々との関わりまでを明細に解説。
蹴鞠を知ることによって、日本人古来の精神を知る事ができる。

第44回「審判の日」


後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。
政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)は三浦義村(山本耕史)のもとを訪れ、鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式について密談を交わす。
三浦館の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)。
一方、義時(小栗旬)の周りでは、朝廷と鎌倉の橋渡し役として存在感を高める源仲章(生田斗真)がのえ(菊地凛子)を――

「今にして思えば、私の望んだ鎌倉は、頼朝様が亡くなられた時に終わったのだな。」
「五郎、お前だけには伝えておく。
ここからは修羅の道だ。付き合ってくれるな?」

今週は、薬師寺君子先生の『写真・図解 日本の仏像』をご紹介。

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国宝・重要文化財を多数掲載!
280点超の迫力の仏像写真!
なんで手の形が違うの? なぜ座ってるの? 仏像にも序列があるの?など
仏像の基本的なことや、仏像の見方、楽しみ方を、日本を代表する迫力の仏像280枚の写真とていねいなイラストでわかりやすく紹介しました。
寺院めぐりにも最適な、仏像の入門書です!

十二神将も載っています。

第45回「八幡宮の階段」


京から大納言だいなごんら公卿を招き、鶴岡八幡宮で盛大に執り行われる源実朝(柿澤勇人)の右大臣拝賀式。泰時(坂口健太郎)が警固をする中、公暁(寛一郎)は門弟と共に木の陰に潜んでいた。
御家人たちに交じり、状況を静観する三浦義村(山本耕史)。
今後の鎌倉と自身の命運を賭し、儀式を見守る義時(小栗旬)と時房(瀬戸康史)。
式を終えて楼門から出てきた実朝を公卿と源仲章(生田斗真)が迎えて整列すると、牡丹ぼたん雪が降り積もる中――

「あの時、なぜ私の腕を掴まれたのですか。
父上は鎌倉殿の死を望んでおられた。
すべて父上の思い通りになりました。
これからは好きに鎌倉を動かせる。父上はそうお思いだ。
しかし、そうはいきませぬ。
私がそれを止めてみせる。
“あなた”の思い通りにはさせない。」
「面白い。受けて立とう。」

今週は、太宰治先生が戦時下に書かれた『右大臣実朝』(岩波文庫)をご紹介。

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破滅に突き進む戦時下の時代への想いは、中世の動乱期に悲劇的な最期を遂げた歌人にして為政者・源実朝の生涯を通して語られます。
歴史文献『吾妻鏡』と幽美な文を交錯させて語られます。
本作創作の経緯と同時代批判を伝える随想「鉄面皮」も併載。

「鎌倉殿の13人」で描かれた実朝は、本書の実朝が一番近いと思います。
ぜひご一読ください。

実朝の首の逸話について知りたい方は、葉室麟先生の小説『実朝の首』(角川文庫)がお勧めです。

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第46回「将軍になった女」


新たな鎌倉殿を迎えようと朝廷に伺いを立てる北条義時(小栗旬)、大江広元(栗原英雄)たち。
実衣(宮澤エマ)が野心を燃やし、三浦義村(山本耕史)が暗躍する中、京では鎌倉への不信感をさらに高めた後鳥羽上皇(尾上松也)が、藤原兼子(シルビア・グラブ)、慈円(山寺宏一)と共に今後を見据え、鎌倉への圧力を強めていく。
一方北条家では、思い悩む泰時(坂口健太郎)をよそに、のえ(菊地凛子)が愛息・政村(新原泰佑)を――

「私が執権として政を執り行います。不都合はないかと。」
「なりませぬ。あなたは自分を過信しています。
三寅様はまだ赤ん坊ですよ。
御家人たちが大人しく従うはずがない。また鎌倉が乱れます。
しかし……私が鎌倉殿の代わりとなりましょう。
鎌倉殿と同じ力を認めて頂きます。
呼び方はそうですね――「尼将軍」に致しましょう。」

今週は、岩田慎平先生の『北条義時 -鎌倉殿を補佐した二代目執権-』(中公新書)をご紹介。

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北条義時は十八歳で突如、歴史の表舞台に立たされる。
義兄の源頼朝が平家追討の兵を挙げたのだ。
義時は頼朝の側近として鎌倉幕府の樹立に貢献。
頼朝没後、父時政に従い比企氏ほか有力御家人を排斥する。
さらには父を追放して将軍補佐の執権職を継ぎ、甥の将軍実朝と姉政子を支えて幕政を主導。
後鳥羽上皇と対決した承久の乱で鎌倉勢に勝利をもたらした。
公武関係の変遷を辿り、武家優位の確立を成し遂げた義時の生涯を描く。

最終回まであと2回!
第1回の頼朝との出会いから、次回の承久の乱まで。
大河ドラマの復習にぴったりの義時本です。

第47回「ある朝敵、ある演説」


幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京。
朝廷の象徴である内裏が焼け落ちると、後鳥羽上皇(尾上松也)は再建費用を日本中の武士から取り立てることを決める。
しかし、北条義時(小栗旬)は政子(小池栄子)と大江広元(栗原英雄)の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。
泰時(坂口健太郎)をはじめ御家人たちが後鳥羽上皇との関係悪化を心配する中、三浦義村(山本耕史)は京で大番役を務める弟・胤義(岸田タツヤ)に――

「元はと言えば、伊豆の片田舎の小さな豪族の次男坊。
その名を上皇様が口にされるとは。
それどころかこの私を討伐するため、兵を差し向けようとなされる。
平相国清盛、源九郎義経、征夷大将軍源頼朝と並んだのです。北条四郎の小倅が。
面白き人生でございました。」

今週は、 目崎徳衛先生の『史伝 後鳥羽院』(吉川弘文館)をご紹介。

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異例の幸運によって帝位につき、天衣無縫の活動をしながら、一転して絶海の孤島に生を閉じた後鳥羽院。
「新古今和歌集」の選歌に没頭する、和歌の才能にあふれた院の人柄はどのようなものだったのか。
その生涯をたどり、連歌、蹴毬、琵琶、競馬、鷹狩り、水練、笠懸に秀でた多芸多能な側面をも描き、生き生きとした人間像に迫る。

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最終回「報いの時」


反目する北条義時(小栗旬)を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇(尾上松也)。
これに対し、政子(小池栄子)の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。
泰時(坂口健太郎)、平盛綱(きづき)らが先発隊として向かい、時房(瀬戸康史)らが続く。
そんな中、三浦義村(山本耕史)は弟・胤義(岸田タツヤ)と――

「私にはまだやらねばならぬことがある。
隠岐の上皇様の血を引く帝が返り咲こうとしている。
何とかしなくては――。」
「まだ手を汚すおつもりですか?」
「この世の怒りと呪いを全て抱えて、私は地獄へ持っていく。
太郎のためです。
私の名が汚れる分だけ、北条泰時の名が輝く。」
「そんなことをしなくても、
太郎はきちんと新しい鎌倉を創ってくれる。
私たち、長く生き過ぎたのかもしれない……。」

今週は、 上横手雅敬先生の『北条泰時』(人物叢書/吉川弘文館)をご紹介。

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北条泰時は、日本最初の武家法「御成敗武目」の制定者として、また鎌倉時代における稀代の名執権として古来その誉れが高い。
北条氏歴代の中で、なぜに泰時ひとりがかくも異数な称讃をかち得たのか。
広く関係史料を渉猟し、承久の乱の動揺と武家政権の確立をはかるその時代を背景に、人間泰時の誠実と苦悩の生涯を描き、事績を浮彫りにした好著。

トキューサ(時房)や朝時など、嫡男泰時以外の北条氏については、以前ご紹介した 野口実先生編著の『図説 鎌倉北条氏』を読むとよく分かります。

そして、北条による鎌倉の治世は150年近く続きました。
ちなみに、最後の鎌倉北条氏「北条時行」が主人公の漫画『逃げ上手の若君』(松井優征先生)が「週刊少年ジャンプ」で絶賛連載中です。
こちらも歴史好きにお勧めの作品なので、まだの方は是非読んでみて下さい。

詳しくは、下記コラムで。
『新九郎、奔る』『逃げ上手の若君』 漫画界に「室町ブーム」が到来!?

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いざ、鎌倉へ

如何でしたでしょうか。

大河ドラマは、登場人物がたくさんいてとても賑やかですね!
ニッチな人物が登場する度に、本やネットで調べてみたり。
歴史好きの至福の1年です。

私の趣味全開の大田川店では、室町時代と戦国初期が合体した「中世日本史フェア in 東国」を半永久的に展開中です。
ちょこちょこ中身を入れ替えてますので、お近くの方は是非見に来てください。
北条時行(逃げ上手の若君)と北条早雲(新九郎、奔る)。
二人の北条氏も、いつか大河ドラマになることを願って 人

書いた人:雪餅(大田川店)

歴史や地図、一人旅が大好きの書店員。
青春18きっぷで年3回 鈍行旅行する乗り鉄でもあります。

鎌倉は歴史観光で五度ほど訪れていますが、見どころが多く、まだまだ廻りきれていません。
コロナの波が落ち着いた頃には、『街道をゆく』や『るるぶ鎌倉殿』を読み返しながら、またゆっくり歩きたいですね。

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