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【2022年過去ログ①】NHK大河ドラマ 鎌倉殿のお薦め本 ~壱ノ巻~

2022年2月8日 投稿

こんにちは!
歴史と地図と旅行が大好きの 大田川店の雪餅です!

2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
脚本は「真田丸ブーム」を作った三谷幸喜さん、主演は小栗旬さんということで放送前から盛り上がっています。
本記事では、鎌倉殿をより楽しむための歴史本を、毎週の放送と合わせてご紹介します。

本の画像をクリックすると、そのままネット注文できます。
三洋堂書店での受け取りなら、手数料&送料は無料です。

【最終更新:2022/2/8】

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室町時代のお薦め本も紹介しています。良かったら見て下さい。
『新九郎、奔る』『逃げ上手の若君』 漫画界に「室町ブーム」が到来!?

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第1回「大いなる小競り合い」


始まりは平安末期の1175年。
皇位継承問題から始まった政変の末、源氏の有力武士が滅亡し、平清盛(松平健)ら平家一門が隆盛を誇っていた時代。

物語の舞台は伊豆国。
主人公北条義時(小栗旬)は、父の時政(坂東彌十郎)、兄の宗時(片岡愛之助)、姉の政子(小池栄子)らと穏やかに暮らしていました。
濃ゆくて自由奔放な家族に振り回される毎日。
そんな時、義時の幼馴染で憧れの八重姫が、流刑人の源頼朝と恋仲になり、子どもを作っていたことを知ります。
さらに、平家嫌いの兄の宗時の手引きで、頼朝を北条の館に匿ってしまったからさあ大変!
果ては貴人好みの姉が頼朝に一目惚れして、猛アタックをかける――。

初回から演劇のようなドタバタ展開が続き、面白いですね。
登場人物も絞ってくれているので見やすいです。
これぞ“三谷幸喜が贈る予測不能エンターテインメント”
今後の展開が楽しみです。

今回は10種類近く出ているドラマガイド本から、お薦めの3冊をご紹介します。

大河ドラマ公式ガイド。出演者やスタッフのグラビアとインタビューがたっぷり収録されています。人物相関図などから序盤の人間関係を把握しやすいです。歴史解説は少なめ。

源平と鎌倉北条氏のゆかりの地を、観光&グルメ情報を交えて紹介した旅行ガイド。鎌倉だけでなく、伊豆、平泉、京都など、読んでいるだけで言った気分に浸れます。

芸能界の歴史通!松村邦洋の大河愛&鎌倉愛が熱すぎる! 1979年大河ドラマ「草燃ゆる」も絡めて、サバイバルな鎌倉時代を楽しく語り尽くします。読み物のとしても面白いです。

第2回「佐殿の腹」


源頼朝(大泉洋)を処断しようと、伊東祐親(浅野和之)が北条の館に迫る。
義時の父で祐親の娘婿でもある時政(坂東彌十郎)は、頼朝を庇って対立するが――。

「俺だって、どうしてこうなっちまったのか分かんねえんだ。」
シリアスになりきらない時政が、史実のイメージと違ってて最高に面白いです。
勢いで上司に啖呵を切っちゃったサラリーマンみたい。
主人公北条義時(小栗旬)にだけ本音を見せるアピールをする頼朝も、上司あるあるですね。

ここら辺の「武士の云々~」のくだりは、当時の地方豪族や武家の実態、武士誕生の成り立ちを知ると、北条方の真意を窺い知ることができます。
武士の起源は未だ解明されていない歴史ミステリィで、様々な説の歴史本が出ていますが、お薦めは関幸彦先生の『武士の誕生』です。
北条氏ら坂東の武士団を中心に、軍事を生業とする貴族や、堕落した貴族を打倒する戦士集団など、武士の多角的な側面からに起源に迫っています。

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第3回「挙兵は慎重に」


頼朝の叔父の源行家(杉本哲太)が北条館を訪ねてきた。
行家は、平清盛(松平健)へ反旗を翻した後白河法皇(西田敏行)の御子の以仁王(木村昴)の令旨を携えていた。
頼朝は呼応して挙兵するのか――。

「お願いだから、揺らさないでー」
頼朝の夢枕にたち助けを懇願する後白河法皇。
映画「ステキな金縛り」のまさかのコラボでした。

行家が言っていた兄とは、河内源氏六代目棟梁で頼朝の父である源義朝です。
後白河法皇と平清盛ら平家一門に敗れた義朝は、敗走先の野間(愛知県美浜町)で入浴中に襲撃を受けて最期を迎えます。
「我れに木太刀の一本なりともあれば」という故事にちなみ、野間大坊の境内にあるお墓には多数の木刀が供えられています。
今作ではおそらく語られませんが、二つの政変「保元の乱」と「平治の乱」から義朝の生涯を知ることができます。
政変を題材にした軍記物語『保元物語』『平治物語』
その中でも、原文/現代語訳/解説が併記され、程よくまとめられた「ソフィア文庫」がお薦めです。

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第4回「矢のゆくえ」


治承4年(1180年)8月、ついに挙兵を決断した源頼朝(大泉洋)の一党は、伊豆国の目代・山木兼隆を討って初戦を飾るべく戦支度いくさじたくを始める。
しかし、頼朝の乳母子である山内首藤経俊(山口馬木也)に助力を断られるなど、強大な平家の威光の前に思うように兵が集まらない。
強気な兄・宗時(片岡愛之助)とは対照的に、自身の浅慮を後悔する北条義時(小栗旬)。
そんな中、対岸の江間館で暮らす八重(新垣結衣)が義時に声をかけ――。

「今まで黙っておったが、儂が一番頼りにしているのは、実はお前なのだ!」
挙兵のための人集め、義時さんホントにお疲れ様です。
戦国時代とは違って専業兵士や職業兵士がおらず、連絡手段も乏しいので、源氏の棟梁というだけで伊豆に集めるのは一苦労ですね。
しかし、平安鎌倉は矢戦が主体とはいえ、武者でもない八重姫が矢文を射るとは驚きました。
元弓道部員としては、危なすぎる射法に、腕や胸を払って痛い思いをしないかと別な意味でもドキドキしましたが、、

さて今回は、鎌倉殿の紀行にもあった『吾妻鏡(あずまかがみ)』をご紹介します。
『吾妻鏡』は、初代将軍・源頼朝から第6代将軍・宗尊親王までの将軍ごとに編纂した年代記で、徳川家康も愛読していたといわれています。
日記の様に時系列順に淡々と書き綴られているため、現代語訳は割と読みやすいです。

1.『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』(王様文庫)
まず『吾妻鏡』の時代をザックリ知りたい方には、この1冊!
大河ドラマに合わせて刊行された入門書で、写真や系図、漫画などを用いて、その時なにが起きたのかを簡単に解説しています。
源氏将軍家だけでなく、北条家や鎌倉殿のことも一通り書かれていて大河ドラマの副読本として役立ちます。

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2.『吾妻鏡 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
『吾妻鏡』そのものを味わいたい方には、この1冊!
772頁の大ボリュームの文庫です。
源頼朝の挙兵から宗尊親王の上洛まで、鎌倉幕府激動の百年を堪能できます。
ふりがな付きの書き下し文・解説・漢文の原文がセットになっているので、漢文読解の練習にもなります。

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3.『現代語訳 吾妻鏡』(吉川弘文館 全16巻)
最後は、五味文彦先生&本郷和人先生編集のシリーズ!
私が本屋さんになった頃にちょうど刊行が始まった縁もあり、日記や行軍記を見る感覚で、愛読していました。
●年●月の章立てに、●日、と始まる現代語訳が記されています。
目次が見やすく注釈が細かく入っているので、巻末付録も見ながら少しずつ読み進めたり、気になった部分を後から読み返すことに向いています。

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第5回「兄との約束」


闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝(大泉洋)の一党。
見事に首級を挙げて勝利した頼朝は、北条義時(小栗旬)の知恵も借り、坂東での政まつりごとの第一歩として土地の分配を始める。
だが、これを知った平家方が激怒。
相模では、奉行を務める大庭景親(國村隼)が梶原景時(中村獅童)ら三千の兵を率いて出陣。
伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親(浅野和之)が動き出す。
これに対する頼朝は全軍を率いて鎌倉を目指すが――。

「小四郎、すまん。参りましょう。」
平家打倒に燃えている三浦勢の中、ひとり冷静に引いてる義村が面白いですね。
戦や首切りに慣れた時政の、頼朝に対する本音も垣間見れました。
今後も長ーくお付き合いすることになる、北条氏と三浦氏に注目です。

今週は、頼朝の「武田には頼りとうない。源氏の格が低い。」と話していた「源氏」に関する本をご紹介。
元木泰雄先生の新書『河内源氏』です。

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源氏とは、皇族が臣下の籍に降りる際に「源」の賜姓を受けるもので、最初は朝廷に近い要職に就きますが、その子孫の一部は受領・在庁官人(現地行政官・地方官僚)となり、土着して武士化した代表格が源頼朝を輩出した「河内源氏」です。
甲斐源氏である武田氏も河内源氏の一門です。
大河ドラマでは省略されそうですが、きれいな以仁王の令旨の効果で、源頼朝や源義仲だけでなく、甲斐源氏(武田信義ら)、近江源氏、下野源氏、上野源氏、多田源氏、美濃源氏など、河内源氏の一族が各地で挙兵したと言われています。
この本では、始祖頼信から頼朝の幕府樹立に至るまで、河内源氏一族の激動の歴史をまとめています。

一方で、京都の上流貴族で在り続けた源氏も多くいました。
代表格は、村上天皇の子孫である村上源氏で、後醍醐天皇第一の側近として南朝を指揮した北畠親房、明治政府の重鎮となった岩倉具視などを輩出しています。
こちらは 倉本一宏先生の新書『公家源氏』にまとめられています。

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いざ、鎌倉へ(今年こそは大河旅行!)

如何でしたでしょうか。

大河ドラマは、登場人物がたくさんいてとても賑やかですね!
ニッチな人物が登場する度に、本やネットで調べてみたり。
歴史好きの至福の1年です。

私の趣味全開の大田川店では、室町時代と戦国初期が合体した「中世日本史フェア in 東国」を半永久的に展開中です。
ちょこちょこ中身を入れ替えてますので、お近くの方は是非見に来てください。
北条時行(逃げ上手の若君)と北条早雲(新九郎、奔る)。
二人の北条氏も、いつか大河ドラマになることを願って 人

書いた人:雪餅(大田川店)
歴史や地図、一人旅が大好きの書店員。
青春18きっぷで年3回 鈍行旅行する乗り鉄でもあります。

鎌倉は歴史観光で五度ほど訪れていますが、見どころが多く、まだまだ廻りきれていません。
コロナの波が落ち着いた頃には、『街道をゆく』や『るるぶ鎌倉殿』を読み返しながら、またゆっくり歩きたいですね。

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